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Opened Zipper

美濃牛 / 殊能将之

2005-08-01 17:38:31 | 読書

書名:美濃牛 MINOTAUR
著者:殊能将之
出版:2003年4月 講談社(講談社文庫)
ISBN:4062737205
価格:1090(税込)


先週の東京出張の移動時のヒマつぶし用に。
殊能将之の「ハサミ男」がとても良いデキだったんで、他の作品はどんなもんなのかなぁということでこの「美濃牛」と「黒い仏」も一緒に購入しました。
しかし「美濃牛」、分厚い文庫本です…フツー上下巻に分けるんじゃないかってくらいの厚みだし、値段も1000円超で新書と大差ないやんって感じ。
こりゃー読み応えがあるなぁと期待感タップリで読み始めます。

雑誌社からの依頼で、フリーライターの天瀬はカメラマンの町田と共に、岐阜の山奥の洞戸村暮枝地区へ向かう。
暮枝の鍾乳洞内にある泉に浸かって癌が奇跡的に治癒したという話をがあり、その泉について取材するのが目的だった。
雑誌社に話を持ち込んだ石動に村を案内されるが、肝心の鍾乳洞は地主の羅堂真一が立入禁止にしており、取材できない。
調査するうちに、この取材はスポンサーである大手建設会社が暮枝地区に計画しているリゾート開発の提灯記事のためであることが判明。
適当に仕事を済ませて帰ろうとする天瀬と町田だったが、台風が岐阜を直撃するので通過するまで滞在を延長することに。
しかしその嵐の夜、羅堂真一の息子哲史の首なし死体が発見される。

むーん…クレタ島の迷宮の怪物ミノタウロスの話を下敷きにして横溝正史風に描いたミステリー、でしょうか。
最後までキッチリ読んだんですが、どーもなー…個人的には「期待はずれ」でした。
山奥の村での血なまぐさい連続殺人事件でおどろおどろしい雰囲気になるはずなんだけど、石動たちのコミカルなキャラのせいで中和されてしまって、それで読みやすくなったのかというとそーでもなく、中途半端になって終わっただけのように思えました。
ページ数はこの3分の1で十分だったんじゃなかろーか…要らん末節をダラダラ書かれて、無駄に長い話になっているとしか感じられませんでした。
ミノタウロスの話についてもっと詳しく知ってれば楽しめたんでしょうか? …あんまりそうも思えないんだけど。

という訳で「美濃牛」は個人的にはハズレでした、残念。
今は「黒い仏」を読んでますが、また石動が出てくるんでちょっと期待できなくなってます。
飛びつくのが早過ぎたかな~。


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