オーダーナイフが完成しました。
今回はコンバット系の中型ナイフで、打ち合わせ中もナイフだったので、勝手にコードネームを付けました。
コードネームは〈グレイゴースト〉
アメリカ空軍のAdvanced Tactical Fighter計画においてF22と競作された戦闘機YF23の異名の1つ・・・ウィキペディアより。
競作には2機出され、それぞれブラックウィドウ2とグレイゴーストの名が与えられている。
名付けた理由・・・カッコイイから。
〈ブレード〉
⚫5.5mm厚、160mm長、SKD-11/酸化処理
フルオーダーカスタムのため、スタイルは依頼主さんのデザインで細部の調整は私に任されました。
程よい長さと幅広いブレードのコンバットユーティリティになっているかと。
〈ハンドル〉
⚫ハンドル長120mm(ハンドル先端から)、G-10 OD
鋼材一体型のガードがトラッドな雰囲気を醸し出すも、ちょい出し尻がモダンさを感じさせるデザイン・・・になっているかと。
〈シース〉
⚫カイデクッス/テックロック仕様
⚫腹側装着クロスドロー設定
中型ではあるものの、重いナイフなので、アダプターを通してテックロックを装備、強度とバランスを保ちます。
アダプターごと左右両利き用に変更可能。
角度も変更出来ます。
〈あとがき〉
フルオーダーカスタムモデルとして製作しました。
幅広なブレードは通常のナイフとして以外、土を掘ったり出来そうなスタイルをしていると思います。
コンバットナイフのイメージはこんな感じではないかと。
70年代のイメージと今風のディテールとの組み合わせは私のデザインには無いものでした。
勉強になりました。
仮に戦闘で使うとしても、いい感じに切っ先付近に重量が乗りますし、滑らかなカーブを描くブレードが斬れ味を増すため、使い心地は抜群だと思います。
バランスのいいモデルになりました。
長さの割りにブレードに荷重が乗っています。
ガードも高いので信頼性も高い。
土が掘れる→地雷が掘れる
依頼主さんは素人設計と謙遜されていますが、かなりレベルの高いコンバットナイフになりました。
お見事です。
この形状なら、おっしゃるとおり、穴掘り等にも使えるでしょうね。それほどギミックが盛られているデザインではありませんが、シンプルな全体像の中に、しっかり握れるハンドルデザイン、刺突の力が逃げないよう工夫された峰や刀身の曲がり具合、頑丈な切っ先の造形が導入されており、いずれも秀逸です。
総合的にみても、安易に流行りのタクティカル、及びブッシュクラフトスタイルにせず、ボウイナイフのあり方を踏襲している点からも、オーダーされた方のこだわりを感じます。私程度が言うまでもなく、ナイフに関して相当な知識と経験をお持ちのお方であると推察されます。
この方は以前にもオーダーされた方で、今回のモデルも前回モデルの面影を残しつつも応用が効いたスタイルになっていました。
ですので、前回モデルとの共通点も持たせてあります。
ブレード背中からタングにかけての露出部分を、Rに仕上げているとか・・・
私がいじれる部分はディテールくらいなので、全体的なフォルムは依頼主さんのセンスという事になります。
デザイン深化力という点からも関心させられました。
何にせよ、地雷堀りブレードというのは心に刺さるものがありますね。
デザインの落書き時に「対称形ブレードの背中側をえぐっとけばもう合法だよね」なんて浅知恵を練りんでました。で、お二方から刺す系の用途に言及されまして、あーやっぱり分かる人にはバレるもんだなと(笑)。
こちらから提出したCG画はボルトの位置や各Rの指定も無い外形のみ=いわば下書き状態で、これを清書=製品にまで昇華させるメーカー様の経験と技量に、毎度おんぶにだっこです。あーー手に取るのが待ち遠しい。
デザインは各々の好みもありますが、それらを含めて、実用前提で判断をします。
ナイフの基本的な能力は初期デザインで決まってしまうと言っても過言ではありません。
見事なデザインでした。
名前付けは私のセンスですので・・・
見た目としては、近代のタクティカルナイフと言えますが、なんとも言えない70~80年代を感じさせるのも、デザインの秀逸さでしょう。大手メーカーなら、「スパルタンブレイズ」や「トップス」あたりが喜んで商品化を進めそうです。