高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

魂のインタープリテーション

2021-12-04 16:22:49 | プログラム 研修、講演等

コロナ禍で延期に延期を重ねていたセミナー仕事なのですが、来週、埼玉の比企地方にひさびさの道外出張に出向きます。オミクロン株とかゆう変異種がまた広がる可能性もありますが、もう延期はないだろうと、覚悟を決めて。

地域ガイドのインタープリテーションについてのセミナーの講師なのですが、 一日半くらいの事前フィールドワークをして、実際のインタープリテーションをして、その意図開きみたいな講習をするという日程なのです。なにしろ、比企地方には人生で一度も行ったことはないので、ちょっと無茶と言えば無茶ぶりなのですが・・、私の師匠のおひとりであり、その昔、北海道に始めてファシリテーションの概念を持ち込み講習会を開催して頂いた環境まちづくりNGOのMRさんからの引合いなので断るわけにはいかない・・のです。そして、そのテーマは「魂のインタープリテーション」という壮大なものなので、ちょっと戸惑っています。

現在活動をしている内容資料を送って頂きましたが、どれも地域文化・歴史や地元産業をテーマにしたプログラムであり、そのパンフレットをみると、むしろ、私の方が参考になるようなものばかりなのです・・・。 にも関わらずなぜ・・・??

そこに、「魂の」という言葉がキモでセミナー題名になっているのです。 うーん・・、ハードル高し。 

活動に参加する人(地元に花を咲かせましょう、を合言葉に はなさか研究所というものがあり、その研究員さんへの講習会です。 主催者とメールでやりとりをしてみると、プログラム・ツアーの実際の担い手が育っていないということのようです。だから・・「魂」なんだなということが分かって来ました。 (ますますハードルが高い・・・)

なので、何をキモにセミナーをしようかと、徒然に頭の整理を・・(以下、長くなるかもしれません)

まず、「地域に花を咲かせましょう」というはなさか研究所なる活動に参加している地元の人たちが対象なのだから、地域に対する地域愛はあるのだと想定。 鎌倉時代の比企氏から続く地域だから歴史は古い。埼玉と言っても、農山村地域なのだと思うので、地域資源はたんとある。また、それらを来訪者に案内するプログラムは揃っている・・・。

なのに、地域ツーリズムを起こしたい、関心があるから、「はなさか研究所」という組織(までになっているのかは不明・・、たぶんMさんが外側から主導している・・・)はあるが、実際に案内人となる担い手になる人がいない・・・。それはなぜなんだろう・・・。

考えられるのは、外から来る来訪者の案内にホスピタリティ的に、また地域資源の知識不足を感じているので案内ができないということなんだろうか・・・。 お金が取れない・・ビジネスにはならないという不安か・・・。

ビジネスになるかならないかは・・・、

黒松内という知床のような深く豊かな自然があるわけでない場所で自然学校を経営している身としては、そりゃあ、ガイド業だけは生計は成り立たない。しかし、私たちも結局のところそれは副業的であってガイド業だけでは食べて行けない。なので、地域ガイド的な仕事もやっている。しかし、この地の素晴らしさ、田舎の素敵さは来訪者に伝えたい、それをミッションとしている。⇒ これは大前提の姿勢と態度。

ガイド・インタープリテーションに知識は必要か・・  

もちろん、その地の自然や歴史、産業の知識はあった方がベターであり、間違ったことを伝えてはいけない。しかし、知識だけ披露したところで、来訪者(聞き手)のニーズにあっているとは言えない。それよりか情報量が多すぎるとかえって逆効果となる。 よく観光地や自然ガイドさんには自分の知っていることを長々と話してしまうお方がいますね・・・。 最近では丁寧にうちのガイド研修をしていませんが、新人・研修生である程度勉強すると、それをお客さんに話したくなるんだなあ・・、情報量を増減を注意してもらいます。 それには、来訪者の反応をちゃんと見れるような人間観察力が必要ね。 10人もの人を案内するときは、そのうちの3人くらいが飽きてきているようだったら、次の展開に移ったほうがいいと思う。

それよりも何よりも、自分が面白がれるかが重要なこと。面白いことは知識だけではない。 その場で見れる美しさとか、不思議さ、もの音でもいい。 インタープリテーションの基本は、「そこにあるけど、お客さんに見えない、気がつかないもの、ことを見せる」「そこにないけれど、あるように見せる・・ないものを見せる」である。例えば、鳥の囀りはそれに注意させないとお客さんには聞こえない。同じく五感は、意識させないと作動しないから、作動させるように心がけて同行する。今は夏だけど、冬は背丈以上に雪が積もることを想像させる。

見せ方のコツもある。 鳥瞰するように大きく風景を見せる、角度を変えて見せる。近寄ってミクロに見せる。風景を見せるときには、その場へのアプローチにも工夫する。

そういったいろいろなコツがあるのだけれども、一番大切なことは、ガイド本人が話題にしていることを面白がっているのかなのだな。

「魂の」と言われれば、 その根底には地域愛、自然愛護感とか、生き物ばかりでなく、環境すべてにつながりがある、いのちの大切さといったベースとなる感覚を養っておく必要があるな。

PSおまけ

北海道アウトドアガイド資格制度を立ち上げ委員をしていた時代があって、制度の骨格が決まった後に、そのテキストづくりをNPOねおすが受託したことがありました。(実際は対行政仕事が面倒なので、それは別会社に全体の委託事業を取ってもらい、その執筆は当時のねおすスタッフや理事者で行った) そのテキストの初版の北海道アウトドアガイド基本テキストの基礎編の第一章理念・倫理 第二章自然の理解・配慮、第7章ガイドの技術の基本は、不肖高木が執筆しました。かなり良い出来だと自負しています。 現行のテキストにも引き継がれているものもありますが、けっこう削除改編された部分もあります。(高木自論があって削られたのかなあ・・)

一線を退いて、けっこう時間がある昨今であるので、もう一度、原稿を起こして再編集をし、自分のブログにでも残しておくかなあ・・・。

 

 

 

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