◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「飛行機に乗車」って?

2021-11-14 09:57:18 | 言葉についてあれこれ
                                  車は車でも・・・

 「空席が目立つ国際線の飛行機に乗車」は「gooいまトピライフ」の見出し(2020/3/18 22:32)で、ちょっと笑った( ̄ー ̄)。なお、記事は「搭乗」でした。車は「乗車/降車」、航空機は「乗機/降機」、あるいは「搭乗」、降りるのは「降機」。意味をちゃんと理解して言葉を選んでいますか?
 「完全に聖人君主的な人じゃなくてもいいし」(2020/7/2 10:56 Techinsight)って、「せいじんくんし」と打ったつもりのちょっとしたミス? あるいは、「とくダネ!」コメンテーターの三浦瑠麗氏の発言として書いてあるので、三浦氏が勘違いしていて、実際にそう言ったのをそのまま書いただけなのか?
 まぁね、どうしてこうなったか分かるような気がしますよ、三浦氏の「し」の発音は唇の形が「え」なので「しゅ」に近いですから。歌手に同様の人がけっこういるでしょう? そうなると、話の流れで「し」か「しゅ」かを判断するわけで、「聖人君子」だと判断したら「聖人君子」と書くはず・・・なんですけどね <( ̄д ̄)>。
 「出没!アド街ック天国」(2020/8/8)で聞いた「インバウンドのいない今」というナレーション、平野義和ナレーター。しかも「インバウンドのいない銀座」というテロップまで( ̄д ̄)! 「インバウンド」は、本国行きの、我が国を目的地とする外国人の旅行、外国人の日本滞在、という意味です。
 最近は、外国人旅行者が日本に滞在してお金を使うこと、という意味でも使われているような気がしますが、あくまでも「旅行者」ではなく「日本滞在」です。「日本に滞在している外国人」ではないのですから、「いない」ではなく「ない」です。
 「先日、お祖母さんの家で『予期せぬもの』を発見しました」(2020/8/30 BUZZmag)って( ̄" ̄)。それまでも目にしてはいたけれど、それが何なのか意識していなかった“斬新なデザインのもの”が40年以上前のエアコンのリモコンだと知った、という話。まさかこれがリモコンだったとは・・・でしょ、「思わぬもの」です。
 「ギュッ!と石川 ゆうどきLive」(2020/9/1)で、案内人から説明を聞き、ある場所へこれから一緒に入るというそのとき、「潜入で~す」と言った中田絢子ディレクター。“見学施設”に大勢で入るのを「潜入」なんておかしいでしょ。別の日も、フクロウと触れ合える場所で「潜入で~す」って、○○の一つ覚え( ̄_ ̄)。
 「際だって強い信念を持ち、報道に向かい合っていることは、現場では周知の事実です」(2021/2/21 7:05 NEWSポストセブン)って( ̄" ̄)。「向かい合う」は、お互いに正面を向いた状態になるということですが、それは建物でも何でもいいわけで、ちょっと違いますね、「報道に向き合っている」が適切です。
 渋谷に3万円の品物を販売する自動販売機が登場したというニュースで、設置した業者の説明が「本物の真珠に触れ合う機会に」でした( ̄" ̄)。「触れ合う」は「合う」ですから、一方的でないことが前提です。ましてや「真珠に」と言っているのですから「本物の真珠に触れる機会に」ですよ。
 「おかずをタッパーに入れて」と言う人がけっこういますが、アメリカのタッパーウェア社の製品名「タッパーウェア」の「タッパー」ですから、ラップを「サランラップ」、油性ペンを「マジック」と言うのと同じ。食材等を入れておくプラスチック容器なら「保存容器」「密閉容器」といったところでしょうか。
 「コンプライアンスの問題も鑑み」(2021/4/18 8:02 FRIDAY DIGITAL)って、「~問題も考えて」ですよ、そういう流れです。「ひもとく」同様、はやりに乗っかっているだけですね( ̄_ ̄)。「鑑みる」は、(手本に)照らして見る、時局に鑑みて、のっとる、教訓に鑑みて、ですよ、ただの「考える」とは違うのです。
 「悲しみにふける中」は「めざまし8」(2021/4/28)のナレーション( ̄д ̄)! 「ふける」は、ほかのことを忘れるほど一つのことに夢中になるという意味。思いにふける、読書にふける、求めて何かに集中しているわけで、悲しみなんて誰も求めやしませんからね、これは「悲しみに沈む中」でしょ!
 「めざまし8」(2021/5/21)の「トクキン」で「気兼ねなく買い替えられる」と言った横山ルリカ、「安いからためらいなく買える」という意味で言っています。「気兼ね」は人に遠慮して自分の気持ちを抑えることですから、「ためらいなく」「気軽に」ということなら「気兼ねなく」とは言いません。もっと言葉の意味を勉強する必要がありますね。

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