熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

NHK:サンクトペテルブルク 音楽の都300年の物語

2021年09月18日 | 学問・文化・芸術
   NHK BSPのプレミアムカフェで、2003年に放映された
   「サンクトペテルブルク 音楽の都300年の物語」の再放送の録画を見た。
   ピヨトル大帝から、エカテリーナ2世、革命から、レーニン、世界大戦による大空襲、苦難と栄光に満ちた「サンクトペテルブルク 音楽の都300年の物語」を、ギルギエフが、オペラやクラシック音楽に載せて情熱的に語る。
   オペラやコンサートの画像が、前世紀末の古い映像なので、ギルギエフも若く溌剌として居れば、MET売り出し前のネトレプコの美貌に魅せられる。
   
   
   さて、まず、私自身のザンクトペテルブルクの思い出だが、ロシアへは、2014年末に一度しか行ったことがなく、その紀行文は、このブログの「晩秋のロシア紀行」で詳しく書いている。
   本当は、1993年に、ロンドンからの帰任前に、休暇を取って、ロシアを歩きたかったのだが、丁度、ベルリンの壁が崩壊して、それに続いて、ソ連邦も崩壊して、その直後、政治経済社会が壊滅状態になって、ロシアの治安が最悪となり、外国人が旅をするなど考えられないような状態であったので諦めたことがあった。
   帰国後、ロンドンなどヨーロッパやアメリカ、中国へは行ったが、ロシアに行きたくて、やっと、2014年にJALパックに加わって行くことが出来た。

   私の場合、世界中をあっちこっちを歩いてきたが、長期旅行でも業務旅行でも、すべて、自分自身で手配していたので、このロシア旅行と最後の中国旅行は、団体旅行に便乗したので、自由が利かず苦痛であった。
   しかし、どうしても、ザンクトペテルブルクでは、マリインスキー劇場、そして、モスクワでは、ボリショイ劇場に行って、オペラかバレエを鑑賞したいと思った。
   まず、マリインスキー劇場のHPを開いて、1日だけ可能な日のプログラムを見ると、本劇場では、バレエの「ジゼル」、新劇場では、オペラ「鼻」が上演されていて良い席のチケットが残っていた。当然、クラシックな本劇場で観劇の雰囲気を味わいたいと思っていたのだが、予備にと思って、ダブルブッキングした。
   私は、ニューヨークのMETでも、ヨーロッパのロイヤルオペラは勿論、スカラ座やウィーン国立歌劇場、それに、チェコのプラハ国立劇場でも、どこでも、総て、直接、劇場のBOXオフィスに当たってチケットを手配してきたので、ロシアでは、ロシア語が出てきたり遣り方が違っていたが、全く、不安はなかった。

   欧米で10年、夜の観劇には慣れているのだが、やはり、ツアーとは別行動を取ったので、ツアーコンダクターの方が、気を使ってお世話くださり感謝と同時に、申し訳ない気持ちでもあった。
   本当なら、ザンクトペテルベルクに到着した日、ギルギエフ指揮で、オペラ「戦争と平和」を上演しており、ホテル着で車を飛ばせば開演1時間くらいは遅れても、最後の幕くらいは観劇できそうだったので、行きたかったが、こう言うときには自由旅行ではないのでダメである。
  
   当然、サンクトペテルブルクの音楽劇場と云えば、マリインスキー劇場で、ロシアの音楽やオペラのシーンなど、この劇場でのギルギエフ指揮の映像が随所に登場してくる。
   現在では、ギルギエフもネトレプコも、私など、METライブビューイングや、ヨーロッパでの舞台姿を観ることが多いのだが、この前世紀最後の頃は、やはり、世界的と云うよりは、ロシアの最高峰の音楽家であって、舞台も、その方が主体だったのであろう。
   ギルギエフのサンクトペテルブルクへの限りない誇りと熱い思いに感動しながら観ていた。
   
   

   たった3日間のサンクトペテルブルクでの滞在であったが、都市景観や街の雰囲気など、殆どヨーロッパの古都と違った感じはなく、革命などソ連時代の開発遅れで、逆に昔の面影を色濃く残していて、タイムスリップしたような懐かしさを感じて、不思議な感慨にふけったのを覚えている。
   ヨーロッパの先進国へキャッチアップしようと必死であったドイツ人のエカテリーナの思い入れがあったからでもあろうか。
   エルミタージュは圧巻であった。

   よく知らなかったのだが、19世紀後半のロシア音楽の黄金時代の5人組やチャイコフスキーの活躍の舞台が、サンクトペテルブルクであったこと、
   ショスタコーヴィチがスターリンに嫌われたこと、第7番「レニングラード」が、ナチ・ドイツの爆撃の最中に作曲されたこと、
   音楽史を紐解きながら、素晴しいロシアの音楽風景を交えた1時間半の「音楽の都サンクトペテルブルク300年」の物語で、非常に興味深かった。

   
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