朝日新聞のWebサイトを見ていたら、来月開幕する「大阪万博」についての記事があった。
朝日新聞:関西万博、学校の不参加相次ぐ 大阪は半年で10万減 不安広がる
実はSNS上では、既に「関西万博」見学(というのだろうか?)要請を受けていた、大阪府内のいくつかの自治体が断りを入れた、というpostや情報が出ていた。
その理由として挙げられた一つが、日陰も無い会場で、児童・生徒たちを歩かせることで様々な健康リスクがある、という点。
他にも、会場までのアクセスの問題などが挙げられていたように思う。
大阪府内の小中学校の「遠足」として、関西万博に来場してもらいたい、という大阪府の目論見は、府下の他の首長さん達からの断りということで、大きく外れたようだ。
それが、今になって判明したような記事だが、私が見たのは1月頃だったような記憶がある。
そのような問題とは別に、今回の関西万博については、来場者に対する配慮が欠けている、という指摘もされている。
一つが、チケット購入のためのプロセスだ。
テーマパークのように、チケットを気軽に買えるというシステムではないのだ。
大阪・関西万博2025公式サイト:万博チケット購入ガイド
サイトを見るとわかるのだが、全て電子チケットで行うことになっている。
単純に、メールアドレスとパスワード入力で登録が完了するのではない。
メールアドレスとパスワードの他に、「生体認証やパスコード、パターンなどのスマホの画面ロック解除設定済み端末(=スマホ)」を用意する」必要がある。
もちろん、電子チケットなのでスマホは必携ということは分かる。
若い方であれば、簡単に登録できるであろう「ID登録」だが、高齢者にとって「ID登録」そのもののハードルが高いのでは?
そしてスマホ1台で、会場の入場予約などが完了するということも便利そうだが、本当にそうなのだろうか?
例えば、会場が混雑して予約時間に入場できない場合などは、どうなるのか?という不安もある。
来場者によっては、当日会場に行って、空いているパビリオンから見て回りたい、という人もいるだろう。
となれば、便利そうな事前予約が果たして便利なのか?ということになる。
そして、国内産の木材を使ってつくられたはずの会場周囲を取り囲む、通称「リング」の木材が、実はフィンランド産が使われている、ということも言われ始めている。
日刊ゲンダイDIGITAL:大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち
掲載記事を読むとわかるのだが、100%フィンランド産という訳ではない。
国内産の木材も使われている。
使われているのだが、その割合は約半分程度だ。
もし、「日本の森林再生」という目的があったのだとすれば、344億円の巨大建造物をつくる必要があったのだろうか?
確かに、1周2㎞、高さ12~40mという巨大な木造建築物は、ギネス記録に登録されそうなほどだが、万博の開催目的の一つが「環境・循環型社会」ということが含まれているのだとすれば、ギネス記録登録などを目指す必要はなかったのでは?
もう一つは、休憩所として若手建築家から公募された一つ、「石のパーゴラ(日陰棚)」だ。
日経XTECH:750個の石をネックレスのようにつるす万博の休憩所、若手20組の1組である工藤浩平氏
「誰も見たことが無いような施設をつくりたい」という考えから、この「石のパーゴラ」をつくられたようだが、この画像を見て、この下で休憩をしたい、という気持ちになるだろうか?
確かに「(石が落ちてこないか)ヒヤヒヤ感」があるので、暑さからくる汗は引っ込むかもしれない。
様々な企業が協力をして、つくられるものなので安全性は確保されているのかもしれないが、その下で休憩をしたいという気持ちにさせるのか?という点では、大いに疑問がある。
今回の関西万博に関していうなら、「人が来場したい」という気持ちにさせる仕掛けが、全くされていないように感じるのだ。
おそらく閉会後の「カジノを含む総合リゾート(IR)」の方が、重要だと考えているのでは?と感じるほど、様々な業種がうごめく裏の有りそうな印象の万博となっているような気がしている。
最新の画像[もっと見る]