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次ぎの段階に入った「新型コロナウイルス対策」

2020-09-09 20:41:41 | アラカルト

今日の新聞各社のWEBサイトに、「新型コロナウイルスワクチン、治験中断」という記事があった。
朝日新聞:コロナワクチンの治験中断、日本に影響?危うい競争開発

「新型コロナワクチン」に関しては、日本をはじめ先進諸国が、先を争うようにして「ワクチン確保」を目指していた。
しかし今回の治験の中断は、近々の感染拡大防止には繋がらない、ということを示した結果といえる。
実際治験段階で中断となれば、その原因をつかみ新たなワクチンを作らなくてはならない、そしてまた数人~10人程度の小規模治験から始めなくてならず、インフルエンザの予防ワクチンのように、近所の開業医のところで接種できるようになるまでには、数年~10数年かかるかもしれない、という現実を見せつけたような気がしている。
それだけ新しいワクチンを開発する、ということは大変なことなのだ。

がんの免疫治療薬の開発でノーベル賞を受賞された本庶佑京大名誉教授は「東京五輪までには、ワクチンはできない」と、あるインタビューで話していた。
文藝春秋:ノーベル賞学者の警告 東京五輪までに「ワクチン」はできない 本庶佑

最初の「オブジーボ」に関する内容は、読み飛ばしていただくとして、「ワクチン」ができない理由について冷静に理解する必要があるのでは?という気がしている。
「ワクチン」開発に数年以上かかると考えた時、今のような医療体制で良いのか?考える必要があるのではないだろうか?

何故なら「新型コロナ感染後遺症」ともいえる症状が続く人たちが、出始めているからだ。
BBC News:COVID-19の症状がなくならない‥‥イギリス感染者の訴え

このような「新型コロナ感染後遺症」に苦しむ元患者さんは、日本にもいらっしゃるのではないだろうか?
日本国内での「新型コロナウイルス感染後遺症」と思われる元患者さんのニュースが、ほとんどない為に問題になっていないだけなのでは?という、気がしている。
今現在の感染状況は、7月8月に比べるとやや落ち着いてきているような感染者数ではあるが、元患者となる人達は累積人数となっているからだ。
隔離病棟での治療は必要ないものの、後遺症がなくならない限り「治癒した」という状況にはならず、当然のことながら治療費などがかさむ(=社会保障費がかさむ)だけではなく、経済活動にも大きな影響を及ぼすと考えられる。

今の状況は「感染拡大防止策」ではなく、「感染拡大の速度を落とさせながら、後遺症に苦しむ人たちへの医療体制準備」という、次ぎの段階に入っているのではないだろうか?
とすれば、本庶佑先生が文藝春秋のインタビューで答えているように、「治療薬の開発」を優先させる必要があるのではないだろうか?

初期症状の時に使える薬剤、重症化した時の薬剤、そして後遺症患者向けの薬剤など、患者の状態に合わせた薬の研究開発が必要だろうし、初期症状に投与される薬で後遺症のような症状が起きないと確認されれば、患者に対する心理的・肉体的負担は軽減されるはずだ。
現在候補となっている薬の他にも、症状別の新薬ができれば、それだけで生活者の気持ちは大きく変る。
「楽観」する訳ではないが、少なくとも今のような社会全体が苛立っているような雰囲気は、無くなるだろうし、「クラスター源」となった施設や学校、クラスターとなった人達への心無いSNSなどでの攻撃も、無くなるのではないだろうか?
むしろ治療薬の研究開発は、社会の安全・安心を生活者に与える、のではないだろうか?
それは「ワクチン開発」よりも、効果的なことかもしれない。







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