Huffpostに「毛皮製品の販売を禁ずる」という法律がカリフォルニア州で成立した、という記事があった。
Huffpost:「動物への残虐な行為に加担しない」カリフォルニア州が、毛皮製品の販売禁止へ アメリカの州で初
カリフォルニア州でこのような法律が成立した(ご存じのように、米国では個々の州で法律が決められるようになっている)ということに、「なるほどな~」という気がしている。
何故なら
①カリフォルニア州がとても温暖な地域であり、毛皮を着こまなくては過ごせない、という地域ではない。
②「リベラルを支持する人」が多く、このような「自然や動物の保護活動」なども積極的な人たちが多いと言われている。
③ロサンゼルス近郊にはハリウッドがあり、ハリウッドセレブたちが住むビバリーヒルズなど、常に世界から注目されている都市があり、情報発信力が高い
などの理由から、動物保護団体などからの積極的ロビー活動があったのでは?という気がしているからだ。
ファッション業界からも「脱毛皮」という動きは、既に起きている。
東洋経済on-line:高級ブランドが次々「脱毛皮」宣言をする理由
東洋経済の記事は昨年の暮れの記事なので、カリフォルニア州の「毛皮製品の販売禁止」の動きは、特別に早かったわけではない、という考え方もできる。
ハリウッドセレブが集まるような地域なので、高級ファッションブランドも立ち並び、既に「脱毛皮」を宣言しているブランドもある。
そう考えると、カリフォルニア州での「毛皮製品の販売を禁ずる」という州法は、カリフォルニア州内に限って言えばさほど影響があるとは思えない。
ただ、上述したように「発信力」という点では、他の地域にも影響があるかもしれない、という気がする。
ここ数年、毛皮製品に対する風当たりが強くなっている。
理由は、カリフォルニア州の州法で決まったように「残酷な行為」だからだ。
ファッションの為に、多くの動物が犠牲になるのは人のエゴである、ということになるだろう。
この「動物に対する残虐な行為」という点では、冬の必須アイティムとなっている「ダウン(やフェザー)」がある。
ご存じの通り、「ダウン」というのはガチョウなどの羽毛のことで、「フェザー」は羽ということになる。
一昨年だったと思うのだが、この「ダウンとフェザー」について、気持ちが良いとは言えない画像がネット上で話題になったことがあった。
ヴィーガン・ファッション:生きたままむしり取るダウンとフェザー(相当ショッキングな動画が含まれているので、ご注意願いたい)
この記事を読むと、もしかしたら「毛皮よりも残酷なのでは?」という気すらしてくる。
確かに、ここ20年ほどの間で「ダウン」商品が、一般的になったような気がする。
特にユニクロが「ライトダウン」商品を発売するようになってからは、秋~冬にかけての必須アイティムのような扱いとなっている。
価格も手ごろなこともあり、毎シーズンのように買い替える方もいらっしゃるかもしれない。
そう考えると、今や毛皮よりも需要として高いのは「ダウン」ということになるだろう。
動物愛護団体が次に「取引を止める様」社会に働きかけるのは、「ダウン」になるのでは?と、想像がつく。
だからと言って、急に「ダウン」を使った商品を無くすわけにはいかないだろう。
何故なら、「ダウン」を使った商品はファッションだけではなく「羽毛布団」のように寝具などにも大量に使われているからだ。
現実的な対応策を考えるのであれば「リサイクルダウン」の活用、ということになるのではないだろうか?
なんとなくだが、近いうちにユニクロのような大量に「ダウン商品」を販売している企業が、「リサイクルダウン」の呼びかけをするようになるのでは?という、気がしている。
「動物愛護」という点だけではなく「環境問題にも取り組んでいる」というアピールになるからだ。