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バレンタインとチョコレート、そして経済

2022-02-13 22:00:17 | ビジネス

明日は「St.Valentine Day」ということで、今日のチョコレート売り場は賑わっていたことだろう。
最近の傾向としては、職場に配るいわゆる「義理チョコ」購入は激減し、友人や家族に贈るチョコや自分のためのチョコなどが、主流になってきている、といわれている。
そのような変化もあってか、いわゆる「高級チョコレート」のほうが売り上げが伸びているのでは?と、百貨店の売り場などを見ると感じるようになってきた。
「量より質」ということだろう。

特に名古屋にあるJR名古屋高島屋で展開している「Amour du Chocolate!」は、百貨店の中では日本一の売り上げといわれるほど、毎年盛況になる。
昨年・今年は売り場の入場制限がかけられている、ということだが、意外なほど人出がある、とは知人から聞いた話だ。
勿論、オンラインでの販売があるため売り場に足を運ばず、オンライン購入をされる方も多いことを考えると、贈る相手はともかくヴァレンタインで消費されるチョコレートの量は年間の7~8割というのも納得できる。

しかし、数年前からチョコレートに関しては、様々な問題の指摘がされるようになってきている。
理由はチョコレートの原材料となるカカオの産地での、子供の人権をはじめとする「現地の人たちの人権」と、低賃金という経済的な問題の指摘だ。
そのため昨年だったか?日本でも人気の高いゴディバが、この問題に取り組んでいないと、人権団体から指摘をされるということも起きている。

確かに、カカオの産地となっている地域はいわゆる「途上国」と呼ばれる地域の国々であり、このような国の特徴として一部の権力者に富が集中し、国民の多くが貧困にあえいでいる、という点だろう。
結果として、子供が労働力として使わるだけではなく、その労働環境も劣悪な環境である、ということなるのだろう。
そのようなことが、良いはずはなくそのような地域からカカオを調達しない、という方法も考える必要がある、といわれてはいる。
問題は、カカオの産地は世界的に限られている、という点がある。

そのため、新しいカカオの産地を求め現地の人たちの生活を十分に支えるだけの価格で、カカオを買取るなどをしてチョコレートを販売している小さな企業も出てきてはいる。
勿論、チョコレートの価格は、割高なモノになってしまう。
その割高なチョコレートを普段から食べられるほどの収入が、今の日本の生活者はなかなか得られる環境にない、という現実にも目を向ける必要があるかもしれない。

チョコレートは、食事として食べるものではなくし好品の一つだとしても、「社会に良いものを食べたい=企業の社会的責任を果たしている企業」の商品を選びたいという生活者が増えることは、グローバルな視点で考えても良い動きだと思う。
問題は、その考えや行動を支えるだけの経済が、今の日本にはあると実感できない(実際ここ30年日本の経済成長は諸外国よりずいぶん低い)という点も問題なのでは?という気がしたのだ。

チョコレートというし好品から見たとき、日本の生活者の可処分所得を増やすことで、遠いアフリカの人たちの暮らしを改善・向上させることができるかもしれない。
そんな視点もまた、必要な時代なのでは?という気がする。



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