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地方に根差した企業だからこそできる、「地域創生」ー三重県多気町ー

2024-04-05 21:21:35 | ビジネス

先日、FMを聴いていたら、井村屋のラジオCMが流れてきた。
井村屋のラジオCMは、毎日のように流れているので、さほど気に留めることも無かったのだが、その日のラジオCMはこれまでの内容とは、全く違っていた。
井村屋が日本酒を醸造しており、そのラジオCMだったのだ。
井村屋:福和蔵「ふくわくら」純米酒/純米吟醸酒発売のご案内 

ご存じの通り、井村屋と言えば「あずきバー」でおなじみの「あずき」を使った製品でおなじみの企業だ。
その井村屋が、小豆以外の製品を製造販売している、ということに驚いたのだ。
しかも2021年には、この日本酒を発売している。
2021年と言えば、世間が「コロナ禍」で混乱していた時期だった。
そのようなこともあり、あまり話題にならなかったのかもしれない。
まして、当時飲食業界は「営業の自粛」という時だった。
お酒を提供するようなお店では、自主的に取りやめるような状況だった。
そのような社会環境の中での発売というのは、逆風の中での発売だったのだろう、と想像することができる。

しかし、井村屋はこの日本酒醸造だけにとどまらず、井村屋が本社を置く三重県に大規模なリゾート事業にも参加していたのだ。
それが「VISON」という名前の、宿泊ができる地産地消型のショッピングを含むリゾートヴィレッジ施設だ。 
この「VISON」には、著名なパテしエ・辻口博啓さん、和食「賛否両論」の笠原将弘さんをはじめとする、和洋中問わずそれぞれの分野で活躍をされている方々が飲食店を出店している。
出店しているだけではなく、同敷地内で野菜や果物を栽培している。

面白いのは、それだけではない。
三重県の重要な産業の一つ林業、三重大学と共同で「薬草」について学べるような施設も併設をしている。
これらの施設に、井村屋が日本酒「福和蔵」というお店を出店しているのだ。
「VISON」のサイトトップのスライドに表示されるように「さあ、いのちを喜ばせよう」というコンセプト通りの、多角的な「くらしのアイティムの提供+リゾート」という施設になっている。

これまで「地域創生」というと、地域とは関係の無い企業を誘致することで「産業を作り出す」ということを、考えることが多かった。
確かに、著名なパティシエや評判の良い飲食店を誘致するということも、同じかもしれない。
ただ「VISON」が大きく違うことは、地元企業や地元の大学、地元産業に関わる様々な立場の人達を巻き込み、その地域の魅力を最大限引き出す「地域創生」というコンセプトがある、ということだ。

地方には、決して大きな企業ではないが地元で長年仕事をしてきた企業が、いくつもある。
それらの企業は、地元の産業についてよく理解しているはずだ。
そのような企業と協力しながら「地域創生」を考える、という点で一つのモデルとなるのではないだろうか?




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