今朝、FMを聴いていたら、英国のオックスフォード英語辞典に、23の日本語が追加された、という話題があった。
東京外国語大学:本学教員が協力しオックスフォード英語辞典に新たに23の日本語由来の語が追加
日本の大学が、協力しているのだから日本語由来の言葉が、追加されるのは当然だろう、と思われる方もいらっしゃるかもしれない。
日本の大学が、オックスフォード大学に売り込んでいたのであれば、そのようなことになるのかもしれないのだが、例え売り込んでいたとしても、オックスフォード大側からの要請が無ければ、追加されることも無かったはずだ。
そう考えれば、海外で「日本語由来の言葉が、広く一般的に使われるようになってきている」と、考える必要があるだろう。
追加された23の言葉の中でも特に目立つのが、「日本食」に関する言葉が多く追加された、という点だろう。
「カツ(とんかつ)、お好み焼き、たこ焼き、おにぎり」等、いわゆる「大衆的な食べ物」が追加されたということは、それだけ日本の大衆的な食べ物を、海外の人達が食べる機会が増えている、ということでもある。
もう一つ考えられることは、インバウンドとの関係だろう。
来日する観光客の中には、これまでのような「寿司、天ぷら、すき焼き、しゃぶしゃぶ」のような、有名な日本食ではなく、居酒屋や大衆的な食堂で食べる機会が増えた、ということでもある。
「おにぎり」が含まれていることを考えるなら、海外からの観光客がコンビニを利用することが、当たり前になりつつある、と考えてもよいかもしれない。
これは、通り一遍のお仕着せのツアープランではなく、より自由に日本の街中を歩く「体験型観光」へと、変わりつつあるのでは?ということだ。
そのことを示すように、今回追加された日本由来の言葉の中には「金つぎ」や「三徳」という言葉も追加されている。
むしろ「金つぎ」や「三徳」という言葉を知っている日本人がどれだけいるのか?と、疑問を感じないわけではないほど、日本人であっても生活の中で馴染みがあるとは感じられない言葉も含まれているからだ。
稚拙な説明をすると「金つぎ」とは、割れてしまった陶器類を金で継ぎ合わせる技法のこと。
「三徳」は、「三徳包丁」のことを指している。
「三徳包丁」というよりも、一般家庭で使われている野菜も肉や魚も調理できる包丁のことだ。
「金つぎ」は、日本人の「ものを大切にする生活」ということを感じているかもしれないし、日本に古くからある「アップサイクル」の考えを評価され始めている、ということにもなるかもしれない。
反対に「三徳(包丁)」は、日本人の合理性、利便性の発想ということになるかもしれない。
このようにオックスフォード英語辞典に追加された、日本由来の言葉を多額的視点で考えることで、自分たち(の地域)にあったインバウンドということが見えてくるのでは、ないだろうか?
オーバーツーリズムで問題になっている京都等を見て、「観光地が無いからインバウンドは無理」と考えるよりも、オックスフォード英語辞典に追加された日本由来の言葉から、地域の資産の見直し・洗い出しをすることで「主要都市からアクセスが不便だから、インバウンドは無理」という発想から抜け出すことも可能だと考えている。
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