三連休の中日に実施された、参院選。
当初予想にたがわず、自民党の大敗となった。
自民党だけではなく、一緒に連立を組む公明党も道連れのように議席を減らした。
ご存じ通り、躍進をしたのが泡沫政党のように思われていた参政党だ。
この参政党の大躍進となったのは、SNSやTikTokなどの動画サイトのアルゴリズムだと、一部では言われている。
確かに、TikTokで参政党の動画が流れてきて、それで投票をした、という若い世代もいたようだ。
これらのことを考えると、既存政党が手を付けなかったSNSやTikTokのような動画サイトの影響力が反映した国政選挙として、大きな転換期の選挙だったのかもしれない。
そして、選挙後これまでにない動きが起きている。
それが「#石破やめるな」だ。
SNSのXなどを中心に、自民党支持ではない人達が「#石破やめるな」というハッシュタグをつけ、拡散するような動きを見せているのだ。
Huffpost: 「#石破やめるな」⇒政治家や俳優がXに投稿 ラサール石井氏は「辞めたら極右政権が生まれる」と発信
Xのハッシュタグ拡散も、アルゴリズムを活用していると思われるので、自分がフォローしていたり・フォロワーの中に、興味がある人がいれば、自分のXのポストに表示される可能性がある。
逆に、全く興味が無い人の所にはこのハッシュタグが、表示される可能性は低い。
とはいえ、選挙で大敗した与党の首相に対して「やめるな」という、動きが起きている、ということもまた近年まれにみる傾向だと思う。
それほど、それまでの日本の政治に問題があった、ということかもしれないし、それまで興味が無い人達が興味を持ち始める様になった、ということかもしれない。
ただ一つ言えることは、石破首相になってからそれまで隠ぺいされてきた?自民党の闇というか膿のようなモノが、次々と表面化するようになってきた、ということだ。
裏金問題は、石破首相ではなく岸田政権で起きたことだが、岸田政権までは何とか司法が忖度をしてくれたのに、自民党内での基盤が弱い石破首相には、司法は忖度してくれそうにない。
それまで、安倍政権下で自分の身分が保証されてきた裏金議員や、特定の宗教団体からの資金を含めた支援を受けてきた議員にとっては、「自分を守ってくれない不都合な首相=石破首相」ということになる。
だからこそ、参院選の大敗を受け「石破おろし」が公然とできるようになったのだ。
考えてみれば、この「石破おろし」こそ、政治家としての仕事の放棄でしかない。
自分に都合が悪い状況だから、党の顔を変えてイメージ一新を図ろうとしている、という何十年と繰り返されてきた「責任回避」の方法であり、政治家としての責任の放棄だからだ。
そう考えると「#石破やめるな」という動きは、政治家は政治家としての仕事を全うして欲しい、という声のようにも受け取れる。
ラサール石井さんが危惧されている「極右化するのでは?」という懸念もまた、欧州の政治的動きを見ると、決して他人ごとのようには思えない。
「極右化」することで、日本では様々な差別が肯定化され、社会の分断が起きる危険性をはらんでいる。
民主主義は、とても面倒くさい社会システムであり、(言葉としてキツイ表現だが)政治家を監視する、国民が自分の意思を持って政治に参加する必要がある。
そこには「(特定の人達に)恩着せがましい利権を与える」という行為は一切排除され、自分たちはどうしていきたいのか?ということが、常に国民にも問われている。
戦後80年という節目に、戦後誕生した日本の民主主義そのものが、問われているのが「#石破やめるな」なのかもしれない。