goo blog サービス終了のお知らせ 

日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「日本は七面倒くさい」のは、当然。

2025-07-11 15:10:56 | ビジネス

1週間ほど前だっただろうか?石破首相の発言が、ちょっとした話題になった。
産経新聞:外国人受け入れ 石破首相「七面倒くさい日本語、習慣は政府の負担してでも習得してもらう」 

おそらくこの言葉は、「日本ファースト」を掲げ、支持を得ている政党と支持者に対して、与党としての考えを述べたものだったのかもしれない。
ただ残念なことに、石破さんご自身の話し方が、明瞭ではないこともあり「石破首相が、日本語は七面倒くさい」と話している、という部分が切り取られてしまった部分もあるようだ。

まず、「日本語は七面倒くさい」のか?という点で考えてみると、「日本語は言語的に難しい」と言わざる得ないと思う。
何故なら、日本語は「五十音」のように一音に対して表記される文字が、一文字ということもあり、海外のアニメファンは、日本のアニメの主題歌を私たち日本人と同じように歌えるのだが、それが言葉や文章となったとたんに、訳が分からなくなる、という話がある。

また、文章は「主語+目的語+動詞」という、シンプルな基本構成なのに、それだけで日本語会話ができるわけではない。
日本語そのものの難しさは、「漢字・かな・カナ」という表記の違いで、文章の意味が変わったり、ニュアンスが変わったりするからだ。
言葉としてのニュアンスの違いは、発語するときにも影響している。
その時々でニュアンスが変わったり、言葉そのものの使い方が変わるということもある。

1990年終わりごろ、ある自動車のCMを見て、驚いたことがある。
それは「全然いいね」というフレーズだった。
それまで私の頭の中では「全然+否定的な言葉」が、基本的な使い方だった。
例えば「全然、ダメ」、「全然できない」などだ。
それが「全然+いいね」という行程的な言葉を使ったフレーズだったからだ。
それが今どうだろうか?
当たり前のように「全然いいね」と、使っているのではないだろうか?

この様に、日本語そのものは常に変化し続け、その変化の中で使われ方や意味も変わっている、という言語なのだ。
だからこそ、「言葉を使う」仕事である、政治家は一般的生活者よりも語彙力を高め、言葉遣いに注意するという「言葉を磨く」という努力が日々必要なのだ。
果たして現在の政治家の中には「言葉を磨く努力」をしている方は、どれほどいらっしゃるだろうか?

「日本語が難しい上に、日本独特の習慣に慣れてもらう」ということは、日本に来るための必要最低限のことなのではないだろうか?
その為の費用を政府が出す必要があるのか?というと、話は別だ。
多くの日本人は、短期の旅行であっても、その地域に対する情報を収集し、社会的マナーなどは事前に覚えるような努力をしてる。
それと同じことを、来日する海外の人達に求めてもよいのでは?
日本には「郷に入りては郷に従え」という言葉がある通り、日本の習慣を自身で学ぶ姿勢が無い限り、日本で生活することはできないし、良き隣人としてお付き合いをすることは難しいだろう。

その前提を、日本政府はハッキリというべきではないだろうか?
日本に来るなら、ある程度の日本語習得と日本の文化や社会習慣を身に着けてから来てください、ということは、来日する海外の人にとってもプラスな点が多いと考えている(私は決して、日本ファースト支持者ではないのであしからず)。