日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

同じデータでも、視点を変えると違う発想になる

2020-05-28 19:59:43 | ビジネス

Yahoo!のトピックスに、「なるほどな~」と感じる記事があった。
Diamond on-line:「コロナ収束は日本人のマジメさや清潔さのおかげ」という勘違いの恐ろしさ

内容については、記事を読んでいただければと思うのだが、この記事で注目しているのは「新型コロナウイルス」の感染による死亡者、という数字だ。
記事にある通り、日本は政府の力で「新型コロナウイルス」を封じ込めてきた、という実感を持っていない人たちのほうが、多いのではないだろうか?
確かに全国を対象とした「緊急事態宣言」によって、GW中も外出を控え「自粛生活」を送ってきた人たちが、ほとんどだろう。
その間、目立って活躍をしていたのは大阪府知事の吉村さんをはじめとする、一部の自治体の首長さんだった。
特に吉村大阪府知事のメッセージは、全国に伝えられ一つの安心材料になったのではないだろうか?
そのうえで、日本人の自主的な抑制生活や日本独特の公衆衛生感などが、欧米の国々で見られた国のリーダーによる強いメッセージ無しで、ここまで感染拡大を防止することができた、というのは確かだと思う。

ただそれは欧米から見た「新型コロナウイルス」の感染拡大であり、東アジアから見た時、日本ほど公衆衛生感があるとは思えない(といっては失礼だが)国々でも爆発的な感染拡大にはなっていない、というのが記事の指摘だ。
日経新聞:チャートで見る世界の感染状況 (世界全体)

既にiPS細胞研究でおなじみの山中伸弥教授が指摘している「ファクターX」の存在が、日本人だけではなく東アジアの人たち全体が保有しているモノかもしれない。
山中伸弥:解決すべき課題 ファクターXを参照してください。

記事では「新型コロナウイルス」だけではなく、日本における「生産性」から見た賃金などについても言及をしている。
確かに、GDPという指標で見れば日本は「経済大国」の一つではあるが、「生産性と賃金」という視点でみた時、賃金そのものが低いということがわかる。

「データという数字は、一つのことしか示していない」と思いがちだが、実は対比する数字や視点を変えると、全く違うことを示す。
「データを読み解く」意味と難しさを指摘していると思う。