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「数字のマジック」に騙されてはいないか?-新型コロナウイルス関連のデーター

2020-05-08 19:14:08 | アラカルト

新聞をひらくと「新型コロナウイルス」の感染者数などを、見ることができる。
新聞だけではなくYahoo!のトピックスやテレビのニュースなどでも「新たに判明した感染者数は、○○人であった」という、数字を見たり聞いたりしているはずだ。

「新たな感染者数」の数字としては、正しい数字だと思う。
だが、感染者数だけの数字では「新型コロナウイルス」における日本全体の感染状況を見ることは、できないと思う。
何故なら、「検査件数」が分からないからだ。

検査件数が100件だとすると、感染者数は100人を超えることは無い。
当然、死亡者数にしても、累積感染者数を超えることは無い。
ところが、感染者として数えられていなかった方たちが、「原因不明」の突然死として扱われてきたケースが、発覚している。
この方たちは、感染者数として数えられていないので、数字上は「いなかった人」のような扱いになってしまう。
ということは、検査件数が増えない限り「本当に日本で感染している人」の人数は、把握できないということになる。

この「検査の数字の少なさ」については、当初から疑問視されてきた。
「意図的に、検査数を少なくしているのでは?」という指摘だ。
そして今、海外ではこの「日本の数字」に対して、疑問と批判が起き始めている。
Huffpost:日本政府のコロナ対応、海外から批判続出 このままの検査数で「終結は困難」

安倍さんは以前「2万人/日の検査を実施できるようにする」と、言っていたと思うのだが現実には2万人どころか、大阪などではPCR検査待ちが最長10日になっているという。
時事通信:PCR検査、大阪で最長10日待ち 医師「保健所受け付けず」ー民間委託拡充急ぐ

以前拙ブログでも指摘させていただいたはずだが、保健所そのものはこのような検査施設ではない。
既に保健所での検査はパンクしており、そのために「PCR検査を受けられずにいる感染者がいる」と考えると、本当の「感染者数」と各自治体から発表される「感染者数」とでは、全く違う人数になっている、ということになる。
実態と大きくかけ離れた数字で「日本は感染拡大を押さえている」と考えるのは、まず間違いだ。
しかもその「間違った数字」を、正式な感染者数として政府が発表するのは、ますます情報操作のようなことになってしまう。
もちろん、感染者数や死亡者数は確実な「数字」だと思う。
だが上述したように「検査を受けていない感染者」の把握をせずという状態では、「感染者数/検査件数」というデータの根拠にならない「数字のマジック」といわれても仕方のない状況だと思う。

「新型コロナウイルス」に限らず「感染症」は、実態把握が最優先されるべきものだ。
見かけの「良い数字」では、「終息」どころか適切な「対応策」すらできない、ということになる。
それが、海外から批判を受けている理由でもあるのだ。
既に「保健所」での検査はパンクしている。
とすれば、民間の検査施設の協力を得なくては、安倍さんが言っていた2万件/日などという数字は、達成できない。
そのコトが分からずに、「(とりあえず)2万件/日」と安倍さんが言ってしまったのだとすると、「数字の持つ意味」が、分かっていない、ということになるだろう。