今日、東京の上空にブルーインパルスが飛んだ。
「新型コロナウイルス」と最前線で奮闘している、医療者関係者に対する感謝を表す為の飛行だった。
テレ朝News:ブルーインパルス感謝飛行”空撮ノーカット” (動画)
Yahoo!のコメントなどを読むと、多くの人が「感動した」という言葉を寄せている。
決して医療者からのコメントではなく、自宅ベランダから見た人、出かけた時に偶然見た人、様々な人達が様々な場所で、ブルーインパルスの飛行を見ていたようだ。
「五月晴れの青空に描かれた白煙と、一糸乱れぬ編隊飛行の美しさ」に「感動をした」という言葉が多かったように感じた。
と同時に一つ感じたことがある。
それは、ブルーインパルスの飛行を見るために、人々が空を見上げていたということだ。
当たり前といえば当たり前のことなのだが、「新型コロナウイルス」の感染拡大が毎日伝えられるようになった頃から、無意識に背を屈め、下ばかり見ていたのではないだろうか?
それが「自粛生活」が始まると、更に背を丸めうつろな視線で下を見つめ、呼吸が浅くなっていたような気がするのだ。
おそらくこのような状況が続くことで、気持ちが殺伐とし些細なことでも攻撃的な言葉を投げかけることに、疑問を感じなくなってしまったのでは?ないだろうか?
それが今回のブルーインパルスの飛行を見て多くの人が、空を見上げることになった。
空を見上げることで、「自粛生活」ですっかり忘れていた空の広さや風の心地よさ、そんな自然の力を感じ取るだけではなく、深く深呼吸をすることで気持ちそのものを切り替えることができた、と感じられた方も多かったのでは?と、感じている。
そして思い出したCMがある。
2010年の年明けに流れた「サントリーBOSS」のCMだ。
残念ながら、公式サイトなどでアーカイブのCMを見つけることができなかったのだが、私としてはとても印象深いCMだった。
場面は、スカイツリーが開業する前の東京。
映しだされるのは、下を向きスマホの画面に見入る人たち。
そんな人たちに「上を向こう!」流れる楽曲が、坂本九さんの「上を向いて歩こう」だった。
このCMそのものは、その後発生した「東日本大震災」等の影響もあり、見ることができなくなってしまったが、この時使われた「上を向いて歩こう」は、その後サントリーのCMなどに出演していた俳優さんやミュージシャンの方々によって、違うカタチで使われることになった。
社会が暗くなると、人は下を向き呼吸が浅くなる。
と同時に、上述したように心まで下向きになり、殺伐とした意識を持ち、他人を様々なカタチで傷つけるようになってしまう。
だからこそ「顔を上げ、空を見上げる」ことが、大切なのかもしれない。
今日のブルーインパルスの飛行は、その切っ掛けとなる飛行でもあったような気がする。