昨夜「新型コロナウイルス」の治療薬として、米国の製薬会社・ギリアド・サイエンシス社の「レムデシビル」を特別承認し、治療に使えるようにする。という政府からの発表があった。
時事通信社:「レムデシビル」5月承認へ コロナ治療薬、大幅短縮―「アビガン」治験継続
この報道に、ネットでは「何故アビガンの承認を優先しないのか?」という疑問の書きこみが目立つようになった。
中には「アビガンを製造しているのが、製薬企業としては新興の富士フイルムの子会社だから、政府や省庁との強い関係が無いからでは?」という、指摘をする書き込みもある。
この富士フイルム富山化学がつくっている「アビガン」が、これまでの治験で「新型コロナウイルス」に対して効果が感じられない、というのであれば治験の継続は必要だと思う。
だが、「患者が希望し、医療者が了承すれば使用できる」ということは、「治験」でもフェーズ3(「大規模治験」と呼ばれる保険適用承認が近い)という状況なのでは?という、気がしている。
それに対して、「レムデシビル」は米国やドイツでの承認が下りれば使える、ということは「日本国内治験を飛ばす」ということになる。
今回の「新型コロナウイルス」の感染拡大では、BCG接種による効果ということも影響しているのでは?という、指摘が一部あるように、日本人とBCG接種をしていない米国とでは「国民として持っている抗体等が、違うのでは?」という、疑問が素人ながら持ってしまう。
もちろん、これほど感染が拡がり「レムデシビル」が有効とされる重篤な患者さんが出るようになれば、使えるようにする必要があるとは思うのだが、一方で「アビガンが有効とされる軽症~中症の時点で、治療をする」という考えもあるはずだ。
そして多くの人は「軽症~中症で治りたい」と思っていると思う。
その違いの説明を、政府はきちんと分かりやすく説明する必要があるのでは?
「新型コロナウイルス」に関しては、長崎大学とキャノンの子会社が共同開発をした「これまでよりもコンパクトで軽量、検査時間も短縮でき高精度」といわれる、PCR検査機器の普及という話も聞いたことが無い。
クラボウの関連会社でも、15分という短時間で検査ができる、「新型コロナウイルス抗体検査試薬」の開発を終えている。あくまでも研究所向けとなっているが、今のような状況であれば研究所のスタッフを指導者として検査現場に派遣してもらい「検査をする」ということも必要なのではないだろうか?
というのも「新型コロナウイルス」の陰性・陽性の検査とともに「抗体検査」を進めることで、「感染拡大」を食い止めることができるのでは?という、期待があるからだ。
まして日本の場合、BCG予防接種が「新型コロナウイルス」に対して、何らかの効果が起きているのでは?という、指摘もあるのだ。
そして昨日、5月中には15分で「新型コロナウイルスの抗原検査ができる」という試薬も製造販売できると「富士レビオ」という企業が発表をしている。
しかも週20万件分のキットが製造販売できる、という。
これまでの検査件数を大幅に増やすことができる、ということになる。
他にも、日本の様々な企業が自前の技術を持って「おしゃれな布マスク」を作り始めている。
にもかかわらず、何故「アベノマスク」は海外に発注をするのだろう?
「アビガン」の扱いにしても、日本の企業の努力を何故積極的に国内で使わないのか?
安倍さんの考えた「新型コロナウイルス」に対する政策は、「経済優先」ということになっているが(本来であれば「感染拡大を抑え込みながら、経済を支える」という政策が当然なはずだが・・・ここでも、安倍さんの経済政策の失敗が分かる)、全く日本国内の企業を支える「経済優先策」にはなっていない。
元々安倍さんの「経済政策」には、多くの疑問があったが、このような社会状況・経済状況だからこそ、国内企業の支援を含んだ「新型コロナウイルス対策」が、必要なのではないだろうか?