とどまることを知らない「新型コロナウィルス肺炎」の拡大。
潜伏期間が一般的(というべきか?)なインフルエンザよりも長い為、最初の検査で陰性になっても、その後陽性になる、というケースもあるようだ。
そのため、感染の可能性のある人などは「多くの人との接触を避ける為」に、「自宅待機」という休みが必要と言われるようになってきた。
考えてみれば、風邪をひいても「発熱していないなら、風邪程度で休むな!」と、言われた経験のある方も少なくないと思うし、それが日本の「働き方」だった。
私事だが、出張先で風邪気味になり風邪薬を飲みながら仕事をした経験がある。
そしてその当時は、それが当たり前だった。
そのような無理無理な体調で仕事をしても、効率や成果などは上がらないと分かっていても「休む」こと自体が、「(周囲に)迷惑をかける」という、ある種の圧力のようなモノがあったような気がする。
「休むなら、病院の診断書を提出する」くらいのことが必要で、それくらい「病気になっても休みにくい」というのが、日本のビジネスパーソンの「働く環境」だった、と言っても過言ではないと思う。
それが今回の「新型コロナウィルス肺炎」感染の拡大によって、「疑わしい時は休む」という社会的風潮になりつつある。
批判されるかもしれないが、「新型コロナウィルス肺炎」の流行・拡大によって生まれた「働く意識改革」に繋がっているのでは?とすら、感じている。
もちろん「疑わしい時休んだ人」に対する、差別的な態度は問題だと思うのだが、これまで「風邪程度で休むな」というある種の「圧力」から、少しは解放されたような気がしている。
と同時に、良いか悪いかはこれからの問題として「働き方」そのものも「テレワーク」のような、働き方が一気に広がっていくのでは?という気もしている。
元々、2020年東京オリンピック、パラリンピック開催期間中、大幅な混雑解消策として「テレワーク」を推し進める必要がある、と言われていた。
しかしその実行となるとなかなか難しいのでは?と、懐疑的な気がしていた。
例えば、現在でも「フレックスタイム」を採用している企業は多く、「時差出勤」等である程度の問題解決ができる、と考えていた企業も少なくないのでは?
それを「テレワーク」のような、自宅と会社をネットで繋げて仕事をするという働き方に変える、というのは「働く意識」として企業側も働く側にもハードルが高いと思い込んでいたと思う。
しかし今回のような、「外出すること自体が、社会に与える影響が強い」感染症の病気の流行が、「テレワーク」そのものに切り替えざる得ない、という環境を創り出したような部分もあるような気がする。
「テレワーク」によって、24時間勤務のような状況に陥らないようにするための策は当然必要だが、「テレワーク」が普及することで、子育て期間中の人たちの「仕事がしやすい環境づくり」にも繋がっていくのではないだろうか?
それが女性の「M字型就労人口」の解消となる可能性もあるだろうし、女性のキャリアビジョンにも影響を与えるかもしれない。
まだまだ予断を許さない「新型コロナウィルス肺炎」の感染拡大だが、これ以上の感染者が出ないよう厚労省をはじめとする関係機関の判断が試されているのはもちろんだが、この感染拡大が「働く意識の変化」や「様々なハンディのある人が働きやすい環境とは?」という、発想の転換の切っ掛けとなってくれることも願っている。