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川口市で起きたクルド人生徒へのいじめと外国籍労働者の受け入れ

2019-04-23 20:57:32 | 徒然

先週末、一部新聞などに報道されていた埼玉県・川口市で起きたクルド人生徒へのいじめ。
徐々にその実態が分かってきたようだ。
毎日新聞:埼玉・川口の小学校でクルド人いじめ深刻 支援者「特別視せず平等に対応を」

このニュースを聞いたとき、とても残念な気持ちになった。
見た目が大きく違う外国籍の子どもたちは、小学生くらいの子どもたちにとっては格好のいじめの対象となりやすいだろう。
もちろん、白人系の外国籍であれば反応そのものも大きく違っていただろう、ということは想像がつく。

私たちの潜在意識の中なのか、社会的刷り込みなのかは分からないが、欧米出身の白人>日本人>黒人や日本以外のアジア地域の出身者というある種の優劣的意識を、残念ながら持ってしまっている部分は否めない。
いくら生物の授業の中で「人類の始まりは、アフリカである」と教えられても、その優劣意識を覆すまでには至っていない。
だからこそ、遺伝学者たちが「人種による優劣は無い。そのような概念は差別を助長させる」と、声を上げるようになってきたのだ。
朝日新聞:「人種」の概念、化学で使わないで 米で差別助長を懸念

特に日本では、異なる国籍を持っている人たちと接する機会がほとんどない為、接し方そのものが分からないということもあるだろう。
今回いじめのターゲットとなってしまったクルド人についての、知識や理解も十分できないまま外見の違いで、いじめのターゲットとなってしまった可能性も大きいのでは?と、感じている。

もちろんいじめの対象がクルド人であろうと、日本人であろうと、やってはいけないことだ。
しかし今の日本の社会は、自分たちのテリトリーの中に異分子と感じられる人に対して、徹底的に排除するという傾向が強くなりつつあるように感じている。
見た目にも自分たちとは違うクルド人だからこそ、一番分かりやすいいじめのターゲットとなってしまっただけではなく、学校側もその対応ができず、いじめを助長させる結果になってしまったのではないだろうか?

何より残念だと感じたのは、せっかく日本人ではない子どもたちを学校が受け入れたのだから、クルド人の文化や社会などを積極的に学区全体を巻き込んで、教えなかったのか?という点だ。
「異文化に接する」という機会は、とても貴重でましてクルドの人たちは国を追われ、日本に逃げ延びてきた人たちが多い。
まさに、現実的な異文化を知り、シリアなどの戦火による悲劇を直接的に学ぶチャンスでもあったはずなのだ。

また彼らがイスラム教徒だから差別を受けて当然、という考えであれば、「外国人労働者受け入れ」という政府の政策そのものが揺らぎかねない。
何故なら、「外国人労働者」として受け入れるであろう東アジアの国々の多くは、イスラム教徒の国だからだ。

小学生くらいの子どもたちにとって、自分たちと見た目や言葉、文化が大きく違う人との接し方が分からないのは、当然だと思う。
だからこそ、大人たちがキチンと教える必要があったのではないだろうか?