日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

時代と個性にあったファッションを

2019-04-30 21:27:19 | 徒然

今日、平成という時代の幕が下りる。
退位礼正殿の儀では、天皇陛下から国民に向けて感謝の言葉があったことは、平成という時代を表すことだったようにも思える。

天皇陛下の退位に当たって、女性週刊誌などは美智子皇后のこれまでのファッションなどを特集する記事が、数多くあった。
それだけ皇室のファッションというのは、常に話題となり多くの女性の注目となるものであったのだな~という気がした。
女性週刊誌の多くは、美智子さまがお妃候補となった頃に創刊されたものが多かったのでは?ということを考えると、美智子さまの人生そのものが、女性週刊誌の記事と共にあった、と言っても過言ではないのかもしれない。

そしてこのような特集を見るたびに、不敬であることは重々承知の上で感じるのは、海外の王室の妃たち比べると残念感があるということだ。
確かに日本の手の込んだ技法を用いたり、日本らしさのある絵柄の生地などを使ってはいるのだが、どこか古臭さを感じてしまうのだ。
宮中での儀式などで着られる装束などは別にして、皇室の第一礼装であるドレスや公務でお召になる服などは、もっと華やかなのものでも良いのでは?という気がしている。

世界の王室の中でも一番オシャレなのでは?と言われている英国のエリザベス女王のファッションを見ていると、デザインそのものは奇抜なものではないが、色やプリントで華やかさを出し、見ているこちらまで元気が出てくるようだ。
キャサリン妃などは、故アレキサンダー・マックイーンやステラ・マッカートニーのような、英国出身の若手デザイナーの服を積極的に着ている。
自国のファッション産業をアピールする、ということを考えればキャサリン妃のような自国の若手ファッションデザイナーの服を積極的に着る、というのも一つの方法なのでは?

確かに、現在の日本のファッションデザイナーの中に、ステラ・マッカートニーのようなデザイナーがいるのか?と言えば疑問だ。
言い換えれば日本のファッション業界は、このような若手デザイナーの育成をサボっていた、ということにもなるのではないだろうか?
日本全体のファッション傾向は、カジュアル志向となりユニクロを代表とする、ファストファッションばかりが話題になる。
それで、日本のファッション文化は育つのだろうか?
先日エントリしたように、1970年代後半から1980年代世界のファッションシーンで、日本人デザイナーが世界から注目を浴びた。
当時注目を浴びた日本人デザイナー自身も、既に還暦を過ぎているにもかかわらず、後継者となるようなデザイナーは?という疑問がある。
それだけではなく、彼らのデザインが皇室向きのものか?という点でも、なかなか難しいものを感じる。
ファッションデザインとしての表現と、着られる現実的な服とでは大きく違うからだ。

エリザベス女王のように、見ている私たちまでもが元気になるようなエレガントで華やかなファッションもまた、皇室のファッションなのではないだろうか?
何より、そのようなファッションを新皇后である雅子妃は、着こなせるのでは?と感じている。