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「Amazon」ブランドに、傷がつきそうなマーケットプレイス

2017-04-26 15:45:15 | マーケティング

Yahoo!のトピックスを見ていたら、Amazonのマーケットプレイス経由で販売している一部業者が、詐欺目的で出品をしている、という記事があった。
Yahoo!トピックス:Amazonマーケットプレイスで「詐欺業者」横行・・・商品届かず、個人情報洩れる恐れ

ECモールサイトの中で、楽天を抑えて一番の利用者がいると言われているAmazonだが、このような出店者がいることは、Amazonにとって大きなブランドダメージとなる可能性が高い。
なぜなら、多くの利用者は「Amazonから買っている」という、気持ちが大きいからだ。

もちろん、利用者側も「Amazonから直接出荷する」だけではなく、Amazonに出店している事業者がいることは理解していると思う。
「Amazonから出荷」と表記されている商品についても、Amazonそのものも、実際のサイトで見るほどの商品を、メーカー等から直接仕入れている訳ではないだろう・・・ということは、ある程度想像できる。
とは言っても、これらの商品はAmazon側から直接出荷されるので、利用者側にとっても安心感は高いはずだ。

それに対して、マーケットプレイスからの出荷は、同じECモールである楽天に出店している事業者よりも、不安感がある。
というのも、事業者が日本国内にとどまらないからだ。
日本の事業者で、海外から安い商品を輸入し販売している場合であれば、まだ「商品が届かない」という心配は少ないと思うのだが、事業者そのものが海外からの輸入代行のような事業者であれば、心配度は高くなるのではないだろうか?

そもそも、Amazonのマーケットプレイスに出店している今回のような「詐欺事業者」が、輸入代行業者だと知って注文をしているのだろうか?
おそらく多くの利用者は、輸入代行事業者だと思ってはいなかったのではないだろうか?
実際、Amazonの商品レビューを見てみると「まさか、中国(または海外)から送られてくるとは、思わなかった」というコメントなども散見する。
とすれば、サイト内でマーケットプレイスの出店者が国内なのか海外なのかを告知する必要があると思う。
それが、告知されていない、という点では不親切な印象を与える。

ただこのような「詐欺事業者」が、マーケットプレイスに紛れ込んでいる、という事実はAmazonそのものにとって、大きな痛手となるはずだ。
何故なら、上述した通り多くの利用者は「Amazon」というECモールサイトを信頼して、買っているからだ。
当然マーケットプレイスに出店している事業者であれば、Amazonからの「お墨付き」という意識をもって、買っているだろう。
その信頼が、出店事業者よりもAmazonに対して、崩れてしまったのが今回の事件だからだ。
マーケットプレイスに出店する事業者に対して、何等かの信用保証を出させるような対策が、Amazonだけではなく、他のEC事業者にも求められるようになるだろう。
ECサイトで交わされる「個人情報」は、通常の小売店で交わされる「個人情報」よりも多いからだ。

もう一つこの事件が教えてくれていることは、便利さの裏にある「リスク」だ。
クレジットカード決済で買い物をすれば、注文後商品の到着は翌日か翌々日には到着する。
それに対して、コンビニ決済などは、注文後決済番号をメールでもらった後、コンビニで現金で支払う必要がある。それだけ手間がかかる。
手間がかかる分、クレジットカードなどの番号などの流出の心配は軽減される。
今回の事件では、クレジットカードなどの番号などは流出していないようだが、便利さの裏にはこのような「個人情報が流出するリスク」がある、ということも教えているように思う。