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ペットボトル入りコーヒー飲料の市場はできるか?

2017-04-05 19:03:05 | マーケティング

サントリーのサイトを見ていたら、新しいペットボトル入りコーヒーが登場する(した?)ようだ。
サントリー:CRAFT BOSS

手軽なコーヒーと言えば、缶コーヒーが定番だが、缶コーヒー―の難点は「飲みながら仕事や作業をする時に、気を遣う」という点があった。
「ペットボトル飲料のように、スクリューキャップで飲み口をしめることができれば、机で仕事や作業をしながらでも安心して飲めるのに・・・」と、思っている人も多かっただろう。
何より、紅茶にはペットボトル入り飲料が当たり前のようにあるのに、コーヒーには無いという点で、不満に思われていた方もいらっしゃったのではないだろうか?
その問題点を解消したのが、ボトル型の缶コーヒーということになると思う。
ただ、ボトル型の缶コーヒーでは、自分の飲んだ量(あるいは残りの量)が分らないという問題がある。
そこで登場したのが「CRAFT BOSS」ということになる。

マーケティングの重要な視点の一つが、「(生活者やユーザーの)問題解決」がある。
この「CRAFT BOSS」は、「机で仕事や作業をしながら安心して飲める」という問題を解決している。
同業他社が、このような商品を出せなかったのはなぜ?と思う部分がないわけではないし、昨今ではブラックコーヒーではないが、カフェオレのような商品ではペットボトル飲料は発売されていたと思う。
何より、既に「ホームサイズ」と呼ばれる、家庭向けサイズのペットボトル入りコーヒーは一般化しており、個人向けの少量のサイズが発売されていなかったことが、不思議な気がする。
ペットボトル飲料とするためのコストの問題があった、ということなのだろうか?

ペットボトル飲料のメリットは、何といっても「軽さ」がある。
ボトル型の缶コーヒーよりも、おそらく重量はペットボトル入りのほうが、軽いと思う。
運びやすくなった、という点はメリットだろう。
リサイクルのしやすさという点でも、メリットがあるのかもしれない。
ただ、それだけでペットボトル入りコーヒーの市場が、広がるとは思えないのだ。

「手軽さ、運びやすさ、残量がわかる」等のメリットだが、反面デメリットもある。
これはペットボトル入り飲料だけにいえるコトではないのだが、「ぬるくなる」という点だ。
CMにあるように飲み始めてから2時間も経過すると、冷たかった飲み物は常温になり、温かかった飲み物も常温になってしまう。
今回サントリーが発売するボトルを見ると、チルド~常温のタイプのようだが、やはりコーヒーは熱い(または温かい)ほうが、飲む側としては嬉しいのではないだろうか?
しかも「飲み終わるまで温かい」というのが、理想だろう。
サントリー:CRAFT BOSS CM

以前から感じていることなのだが、ペットボトル専用の「保冷・保温容器」というモノがあれば、もっと飲みやすくなるのでは?と思うのだ。
実際1ℓくらいのペットボトルを保冷する容器は、夏場になると見かけることがある。
ところが個人用というか、350mlくらいの手ごろなサイズの容器を見かけたことが無いのだ。
せっかく、ペットボトル入りのコーヒーを発売するのだから、そこまで考えてほしかった・・・というのが、本音だ。