日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

価値観を変える商品

2016-07-08 21:07:39 | マーケティング

2,3年ほど前から、ドラッグストアーの「健康食品」コーナーで見かけるコトが多くなった商品の一つに「高栄養食品」がある。
明治の「メイバランス」のように、もともとは介護向け商品の市販化などがされるなど、少しずつこのような特定のユーザーの病院向け食品が、注目されるようになってきている。

理由の一つとして考えられるのが「食べられない人」が、増えているのでは?という気がするからだ。
「食べられない人」というのは、高齢になり「食事量が少なくなってきている人」だと思いがちだが、その実ダイエットなどで「食べたくない人」や仕事などで「食べたくても食べられない人」が、増えているのでは?という気がするのだ。

もちろんこのような「栄養食品」とか「ライトミール」と呼ばれる、食品は以前からあった。
有名なところでは「カロリーメイト」だろう。
病院の流動食をより食べやすく市販化したのが、「カロリーメイト」だということを、ご存じの方は多いと思う。
その流れの一つとして、次々と登場したのが「ライトミール」と呼ばれる、「健康食品」だ。
それらの「ライトミール」と「メイバランス」の大きな違いは、「メイバランス」は「タンパク質」に特化した商品である、という点だろう。

そして、「あずきバー」でおなじみの井村屋もまた、ちょっと変わった商品を昨年から販売している。
それが「高カロリー豆腐」という商品だ。
少量でも、それなりのカロリーを摂取するコトができるので、食が細くなった高齢者向け商品としてネット販売をしているようだ。

「メイバランス」や「高カロリー豆腐」が注目される要因は、「高齢の栄養不足」という問題がクローズアップされ始めているためだ。
その意味では、「高カロリー」は体に悪い、というイメージを変える部分があるかもしれない。
それだけではなく、様々な理由で「食べられない人・食べたくない人」の栄養バランスを補助する、ということがあるのではないだろうか?
違う言い方をすれば、医師の指導のもとで「ダイエット」を行う必要のある人の食生活サポート商品、ということになるのではないだろうか?
場合によっては、美容目的の「ダイエット」食品として、とらえる人も出てくるかもしれない。

これらの商品は、それまでの「ことばのイメージ」を逆手に取り、その機能を伝えている。
このような商品の一般化は、生活者の世代構成だけではなく生活スタイルの変化によっても、違ってくるという一例だと思う。