日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ロッテのお家騒動と企業イメージ

2016-07-04 22:33:40 | ビジネス

今年に入り、製菓メーカーのロッテの「お家騒動」が、度々報道されるようになってきた。
「ロッテのお家騒動」は、今年に始まったコトではないのだが、報道される回数が増えると共に「お家騒動」以外の報道もされるようになってきた感がある。
今日、朝日新聞のWEBサイトでは、ロッテ創業者の長女に韓国政府が逮捕状を請求した、という報道がされている。
朝日新聞:ロッテ創業者長女の逮捕状請求 背任収財や横領容疑など

私と同世代以上の方にとって「ロッテ」という企業は、「お口の恋人ロッテ」というキャッチフレーズと共に、日曜日の昼下がり「一週間のご無沙汰でした」という玉置宏さんの口上で始まる「ロッテ歌のアルバム」などを通して、親しみのある製菓メーカーだと思う。
1960年代の企業の多くは、テレビ番組のスポンサーになるコトで、知名度を上げ生活者に親しみ感を与えてきた。
その意味で、ロッテという企業は創業者が韓国出身者であることを知らずに、日本企業として親しみを持ってきた人は多かったのではないだろうか?

それがここ数年の「お家騒動」があり、また、韓国での「反日の動き」などで、ロッテという企業そのもののイメージが変わり始めているような気がする。
というよりも「お家騒動」が大きく報じられることが無ければ、おそらく多くの人はロッテ創業者が、韓国出身者である、ということは知らなかったのではないだろうか?
それが、反日の動きなどにより、日本国内での韓国に対するネガティブイメージが強くなるにつれ、ロッテという企業に対しても、ネガティブというほどではないにしても、購入を躊躇する生活者はいるのではないだろうか?

もちろん、製品に問題があるわけではない。
作られる製品は、日本の衛生基準などに沿った製品だ。
何より、おいしさそのものは以前と変わっている訳ではない。
にも拘わらず、「お家騒動」と今回報じられているようなコトがあると、製品云々ではなく生活者の「買いたい!」という気持ちが、動きにくくなってしまう部分があると思う。
というのも、週末近所のスーパーだけではなくドラッグストアなどでも、頻繁にロッテのお菓子が他社に比べ安価で販売されるコトが多くなっているからだ。
しかも、以前なら夕方遅く買い物に行けば売り切れていたはずの商品が、残っているコトも少なくない。

今回の逮捕請求は、あくまでも韓国でのコトだが、「ロッテ」という名前があまり良くないコトで報じられればられるほど、生活者のイメージはマイナスになっていくだろう。
企業イメージを作っているのは、決して製品やサービスだけではない。
今回のロッテのような場合も、企業イメージに大きく影響を与える要素なのだ。