シルバーウィーク終盤、突然報道された「VWの排ガス規制不正」の問題。
詳細については、既にご存知の方も多いと思う。
今日になって、CEO辞任というニュースも報道された。
このニュースが出る1ヵ月ほど前、VWは話題になっていた。
VWというよりもスズキといったほうが良いのかもしれないのだが、スズキがVWとの提携の解消、というニュースだった。
国際仲裁裁判所の裁定による「提携解消」という、ニュースだった。
国際仲裁裁判を介するような提携の解消ということは、一刻も早い提携解消を望むスズキ側とそれを引き延ばし(もしくは、提携の継続)たいVWとの間で、うまく話しが進まなかったからだろう。
提携の内容そのものが、報道されるコトはないのでVWとスズキの間では、どのような提携内容だったのかを知るコトはできないが、提携をした1年目くらいから、スズキ側はVWに対して不信感のようなモノを持っていたようだ。
日経新聞8月30日付:スズキ会長、独VWと「再婚ない」提携解消「満足」
2011年に、提携の解消をスズキ側から申し出ていたコトを考えると、契約の内容そのものがVWに有利なものだったのだろう。
それは持ち株面だけではなく、技術提供なども含めてVW側に有利な内容だった、のではないだろうか。
そしてVW側が提携の解消を渋った理由は、もしかしたら今回の「排ガス規制」の部分も含まれていたのかもしれない。
なぜなら、2009年当時日本とEUとでは、NOXやPMの規制を比べると、日本のほうが厳しかったからだ。
JAF|クルマ何でも質問箱:乗用車の排出ガス規制におけるNOx(窒素酸化物)/PM(粒子状物質)の最新の数値は?
その技術が手軽に入る、と思えばVW側としては難色を示しても、おかしくはないだろう。
VWは、今回の「排ガス規制不正」によって、企業としてのイメージダウンは大きく、イメージの回復までには時間がかかるだろう。
これまで「欧州車」の中でも高級車のブランドでもあったVWは、高級というイメージも大きく崩してしまった。
逆に高級車の一つとして言われてきたからこそ、決められたコトが守れない企業という事実は、ダメージが大きい。
スズキ側としては、国際仲裁裁判所からの仲裁勧告のタイミングが良かった、としか言いようがないかもしれないし、実はVW側はすでに「排ガス規制不正」の事実をつかんでいて、これ以上引き延ばすコトが得策ではない、と考えたのかもしれない。
スズキ側からの提携解消の申し入れというのは、VWの傲り体質のようなモノが原因で、その「傲り体質」が今回のような事件を引き起こしたのかもしれない。