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安保法案って、何だろう?

2015-09-17 19:46:51 | 徒然

参議院特別委員会で、「安保法案」が可決した。
相当の混乱の中での、可決となったようだ。

この「安保法案」を巡っては、国会議員さんたちよりも一般市民のほうが「危機感」を覚え、街頭演説やデモを行った。なんとなく、野党側はこの市民の動きに引っ張られるようにして、「反対!」の肉付けをしていったような印象すら持っている。

そう考えると、議員さんたちよりも市民、特に大学生を中心とした若い世代が、この「安保法案」に対して危機感を感じていたのではないだろうか?
日ごろは「政治に無関心」と言われていた世代の若者たちが、立ち上がったコトで「安保法案、反対」のうねりが大きくなり、社会を動かしたという印象を持っている。

同じ若い世代でも「反対!」をいう、若者たちばかりではない。
ネット上では、この動きをけん制するような言葉もたくさん見るコトができる。
どちらが正しいのではなく、多様な意見が自由に言えるコトが、社会の体制として一番重要なのだ、ということも考えさせられた。

その「安保法案、賛成」という人たちは、「中国のような国が、軍事強化を図るだけではなく、日本をはじめとする周辺諸国の領土を侵略している」ということに、危機感を持ち「賛成」という方もいらっしゃったような気がする。
本来「他国の武器を持った軍が、自分の領土に無断で侵入することに対する対抗(または抵抗する)」ということは、集団的自衛権の範疇ではない、と思うのだが、ここ最近の中国の動きは、そのようなコトを考えさせるほどだ。
実際、今年の7月の「全人代」での「国家安全法」として地上や海上、深海どころか、宇宙までも対象とする、決議された。
ニューズウィーク:中国の国家安全法は戦争法か
あまりにも突飛な発想で、唖然としたニュースだったのだが、このような発想の隣国があれば、日本の国益のために自衛隊の武力行使も場合によってはやむなし、という不安を掻き立てられるのも当然だろう。
実際、安倍政権は中国と名指しはしなかったが、必要以上に「武力による侵略」ということを、煽る部分があった。

「集団的自衛権」の本筋であるはずの、「米軍の支援」という内容になると、一転二転。防衛大臣である中谷さんの答弁も整合性のない内容になるコトが多かった。
そもそも、「戦争や紛争」ということに対して、漠然としたイメージしか持っていないのでは?という、気がしたのだった。

その中で不思議に感じたのは、経財界が何も発言をしなかったコトだ。
確かに、政治に経財界が口を挟むようなコトではないという気もするが、一方で経団連が「武器輸出を国家戦略として推進してはどうか」という提言を、この国会中に出している。
HUFFPOST:経団連、「武器輸出を国家戦略として推進すべき」提言を公表
おそらく、このような発言を経団連ができるようになったのは、今回の「安保法案」可決が見込める、と思ったからだろう。
個人的には、経団連の考えていることは、時代の流れから大きく外れた提言だと思っているし、今若い人たちが国外で「社会事業家」として、様々な社会支援事業を途上国で立ち上げ、活動の邪魔をしたいのだろうか?と、思ってしまった。そもそも、若い人たちがこのような活動をしているコトすら、知らないのだろう。

そう考えると、若い世代の人たちは「国内外との平和協調」に対する危機感を感じ「安保反対」をし、内向き志向の政治家や経済人が「安保賛成」ということなのかもしれない。
何より問題だったのは、本来この「安保法案」で真っ先に審議すべき内容は、「自衛隊」の国内と国際社会に対しての「位置づけ」だったのではないだろうか?
それを「時の内閣による憲法解釈で、集団的自衛権の行使ができる」と、うやむやにしたために、かみ合わない議論を延々と続け「強行採決」という、民主主義とは大きくかけ離れた方法で、法案が通ってしまったという気がする。