ここ2、3年時々話題というか、社会的問題として取り上げられることがある「地下鉄や電車などへのベビーカー乗車」。
今日の新聞に、名古屋市地下鉄ではベビーカーをたたまずに乗車ができるようにする、と言う記事が掲載されていた。
日経新聞:名古屋の地下鉄に「ベビーカーマーク」 優先スペースを示す
これから先、女性が出産・育児などで退職をせずに働き続けるころができる様な社会を目指す、と言う意味では、とても大切なことだと思う。
何より、子育て中のお母さん達にとって、ベビーカーで移動できるというのは魅力だと思う。
ただ、それだけで問題が解決できるのか?と、考えると、いくつかの疑問というか、改善の余地があるのでは?と言う気がしている。
と言うのも、最近街中でよく見かける「ベビーカー」の大型化という点だ。
ここ2、3年人気だという「ベビーカー」は、外国製のモノが主流で、車輪(と言うよりも「タイヤ」と言ったほうが良いと思う)も、太く大きい。
当然、それだけの車輪を必要とするデザインで、歩道を歩いていても、こちらが道を空ける必要があるほど、大型化している。
その様な『ベビーカー」を選ぶ理由の一つに「乗り心地」ということや「お父さんが使っても、違和感が無いデザイン」ということのようだ。
そう考えると、何故国内のメーカーはその様なニーズにあった「ベビーカー」を作らないのか?と言う点が不思議でならない。
実際「外国製の大型ベビーカー」は、国内メーカーのモノよりも高額だ。
と言うことは、生活者は「価格」で購入を決めている訳ではない、と言うコトだ。
日本の「モノづくり」という点で考えれば、「乗り心地がよく、軽量でお父さんが使っても違和感の無い優れたデザイン性のあるベビーカー」を作ることは、さほど難しいことだとは思えない。
むしろ、この様な分野は得意だと思う。
にも関わらず、その様な商品が市場に出てこない(出てきにくい)というのは、不思議な気がする。
他にも、ベビー用品全体を見てみると、実は海外のモノの人気が高い傾向がある。
食器や、乳幼児期向けの遊び道具などだ。
「遊び道具」と言っても「知恵玩具」と呼ばれる分野ではなく、ボール遊び用のボールなどだ。
「少子化」と言うことが言われて久しいが、「子育てが楽しくなる様なベビー用品」という視点でのモノづくりというのはされてきたのだろうか?
「子育ての財布は、3つ以上(父親・両祖父・母)」と言われたのは、20年以上も前の話。
「孫への学資」ということも、昨年あたりから節税対策を兼ね、言われ始めている。
でもその前の「乳幼児期」と言う視点も必要なのでは?
そして乳幼児期から優れたデザイン性のモノに触れることで、次世代の「モノ・コトづくり」の素地ができるのでは?