経営不振に陥っているシャープだが、それでも研究などは積極的に行っていたのだろうか?
今日、新しいタイプの太陽光発電パネルのニュースが、朝日新聞に掲載されていた。
アサヒ.com:ベランダでも太陽光発電OK パネル販売へ
シャープが経営不振に陥った大きな理由の一つに、「パネル事業」があったと思う。
もちろん、一番大きなリスクとなったのは液晶テレビでの成功が、価格競争に巻き込まれることで市場の優位性が保てなくなった、と言うものだったが、おぼろげな記憶では、太陽光発電パネルの事業も、中国勢に押され日本のメーカーはとても厳しい状況になっている、はずだ。
中国の場合、国を挙げての産業振興ということになるので、価格競争に巻き込まれると一気にシェアを落としてしまうのが日本の企業ということになる。
それだけではなく、太陽光発電パネルと言ってもいろいろなタイプがあるらしく、ひとくくりにできないという話を聞いたことがある。
その様な業界の事情があるにせよ、今回のシャープの太陽光発電パネルは、画期的なモノだと思う。
何故なら、今までの「太陽光発電パネル=屋根」という設置場所を限定せずに、設置できるからだ。
特に、集合住宅などでは屋根だけで発電するには、住宅戸数に対して少なすぎる。
それがベランダなどを利用するコトができる、と言うことになれば住宅戸数分だけの発電箇所が増える、と言うコトになる。
もちろん、太陽光発電のみで生活できるほどの発電量は期待できるとは思わないが、それでも今までの「屋根限定」と言うコトから考えれば、随分発電量が増えるのではないだろうか?
もう一つは、記事の中にある様にオフィスビルや公共施設の窓などへの利用の可能性、と言う点だ。
電力そのものを多く使用するオフィスや公共施設などで、発電するコトが可能になると、電気料金の値上げが続いている状況では、コスト削減の一助となるはずだ。
それだけではなく、例えば病院など「電力停止が、人の命に関わる」ような場所などは、この様な太陽光発電システムだけではなく、病院内で排出される残飯などを利用した「バイオマスエネルギー」などと併用し、大型の蓄電システムを備えることでより安定的な電力を確保するコトができる様になるのでは?
「原発再稼働」に積極的な自民党だが、この様な企業の活動もしっかり見て欲しい。
この様な技術が、世界的に評価され日本の産業の柱の一つとなる可能性もあるのだから。