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「ユーモア」というコミュニケーション術

2013-07-12 16:41:25 | アラカルト

Yahoo のトピックスを見ていたら、「なるほどな~」と言うトピックスがあった。
Yahooトピックス:虫が懇願「虫よけ、おやめになって」-多摩動物公園のツィートに反響

多摩動物公園の「昆虫園本館」の職員さんのつぶやきとともに、写真が掲載されている、ツィートが反響を呼んでいることのようだ。


このつぶやきが反響を呼んだ大きな理由は、「(展示されている)虫たちの気持ち、虫たちからのお願い」という視点での、ツィートだからだろう。
もしこのつぶやきが、堅苦しいお願いや命令調の内容だったら、反発するリツィートが殺到したかも知れない。

このつぶやきの反響は、何かに似ているな~と思ったら、先頃FIFA・W杯のブラジル大会出場を決めた後、渋谷の交差点で、群衆を誘導した「DJポリス」と似ているのだ。
それは「ユーモア」ということ。

主張すべきトコロは主張しているのだが、それが命令調ではなく「同調」を促すような内容。
「DJポリス」の場合は、「怖い顔をしているおまわりさんも、皆さんと同じように日本代表がW杯出場を喜んでいる」とか「日本代表はフェアプレーでも評価されているチーム、(サッカーファンの)皆さんも、フェアプレーの精神で・・・」と言う内容などは、その例だろう。

今回の「多摩動物公園・昆虫園本館」の職員さんのつぶやきも、「虫よけは(身に)付けないで」ということを、伝えつつも決して命令調ではなく、「虫の気持ちになって」という「同調」を求めている。

先達て「共感性」ということについてエントリをしたが、まさに「同調」を促すことで「共感性」を呼んでいる好例という気がする。
「同調」し易くしているのが、「ユーモア」ということになると思う。

「ユーモアのセンス」というのは、なかなか難しい。
一歩間違えば、「寒~いギャグ」になってしまうか「反発・反感」を招くこともある。
一方「ユーモアを持っている」というのは、人間だけに与えられた特権とも言われている。
果たして、人間だけに与えられた特権「ユーモア」を上手に活用できているだろうか?