日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

コピーは時代を映す?

2012-04-25 20:30:04 | CMウォッチ
書店で見かけた「傑作!広告コピー516」と言うタイトルの文庫本。
仕事の関係もあるが、元々広告表現そのものが好きなトコロもあり購入。

この本のタイトルには、「人生を教えてくれた」と言うサブタイトルが付いている。
「人生を教えてくれた」というのは、やや大袈裟な気もしないわけでは無いが、「傑作!」と謳っている通り掲載された広告コピーはどれも印象深いモノが多い。
それだけでは無く、広告そのものが「時代を映す鏡」と言う要素があるコトを考えれば、自ずと使われているコピーもその時代時代をよく表現しているな~、と感じるモノが多い。

掲載されているコピーは80年~01年のモノ。
20年という時間の中には、バブル景気がありその後の崩壊、低迷する日本経済・・・と、日本経済の大きな波の中で生まれたコピーだ。
作者を見ても、糸井重里さんや仲畑貴志さんの様な著名なコピーライターもいれば、代理店に所属しているのでは?と思われる方もいらっしゃる。
ただ共通しているのは、傑作コピーと言われるモノにはユーモアと普遍性がある、と言うコト。
もちろん、ユーモアのあるコピーだけでは無い。
アムネスティ・インターナショナルの広告で使われたコピーは、今でも十分通用する程の強いメッセージ性を持っている。
また、バブル経済が実質的には破綻し始めていた頃の銀行のコピーは、「銀行がそれを言う?!」と言う感じの驚きがある。
当時は、相当強きな姿勢を営業面だけでは無く、社会に対してもアピールしていましたから、当然なのでしょうけど、その後のバブル崩壊で都市銀行が生き残りをかけ次々と合併・統合されていったコトを考えると、「やはり時代だったのかな~」、と言う気がしてくる。

一方普遍的な内容というのは、その企業が発信したある種の人生観の様な内容が、多い気がする。
例えば、サントリーの広告は一貫して「時の流れ」を言っている。
それはウィスキーという洋酒メーカーだからこそ、「長い時間をかけてつくられるモノへの価値」を言う必要がある為だろう。
でも、それをウィスキーと言った商品の枠を超えるだけの力のあるコピーだと、「(企業の)生き方」のようにも読み取れる。
旅行会社や鉄道会社のコピーとなると、「旅=人生の旅」の様なとらえ方に読み取れる。

今年のGWは、比較的長期の休みとなる企業が多い様だ。
海外へ旅行に行かれる方も多い様だ。
だからこそこんなコピーを・・・
「バカンスとは、大してお金を使わなくても楽しかった1日のことです。」(95年良品計画「無印商品」)
お金を使って使わなくても、十分楽しいGWをお過ごしください。