日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

変わらないと思っていても、変わるもの

2012-04-09 21:02:03 | アラカルト
昨日から、春らしい陽気となってきた。
近所の公園の桜も、昨日の陽気で一気に満開。
やはり満開の桜を見ると、春を実感する。

季節感としては、やっと春が来た!という感じだが小売の世界では季節は随分と進んでいる。
先日エントリした通販のカタログだけが、季節を先取りしているわけではない。
ドラッグストアの店頭に並ぶ商品も3月の半ばには、商品の入れ替えが始まっており、冬の間使い捨てカイロ中心だった場所は、防虫剤に交替している。

そんな商品棚を何気なく見ていたら、やたらと派手なパッケージの防虫剤があった。
何だろう?と思ってみてみると、「バラの香りの蚊取り線香」だった。
この商品を見つけたとき「まったく変わらないと思っていた商品も、生活の変化で変わる」というコトを改めて知った気がした。

実は蚊取り線香といえども、最近では随分とバラエティに富んだ商品となりつつある。
以前からドラッグストアなどで見かける「蚊取り線香」は、除虫菊の成分を科学的に作り出したもの。
最近人気となっているのは、オーガニック除虫菊を使った昔ながらのタイプ。
それだけではなく、「ペット用蚊取り線香」というものもある。
ただ、今回のようなフレグランス系の蚊取り線香というのは、初めて見た気がしたのだ。

ここ数年家庭用消臭剤というのは、とても安定した市場のように思っている。
それもかつてのような「消臭剤=トイレ用、タバコやペットのにおい消し」といった、目的別の消臭剤ではない。
最近人気となっているのは、リビングなどにおく「ルームフレグランス」と呼ばれる、「香りを楽しむ」タイプのものが中心のようだ。
その背景にあるのは、10年以上前から続く「アロマテラピー」などの「癒し」需要だろう。

そのためだろう、毎年のように新しい商品が次々と登場する。
もちろん、リビングなどに置くことも目的としているため、パッケージそのものも凝ったものが多く、ここ3年ほどはフレグランスボトルにスティックを挿すタイプが人気のようだ。
当然それだけ数多くの商品があるというコトは、香りの種類も多いということ。
その香りにも流行があり、ラベンダーの香りが人気だった時もあれば、トロピカルフルーツ系もある。
一昨年あたりから人気になっているのが、「バラの香り」のような気がする。
「優雅な香り」というだけではなく、「女性ホルモンのバランスを整える香り」として、注目され人気を呼んでいる。
そのような流れの中から、このような「バラの香りの蚊取り線香」も生まれたのかも知れない。

理由はなんとなく分かるのだが、このような挑戦(というと大袈裟だが)した商品を改めて着ると「変わらないと思っていても、生活者のニーズが商品を変えるのだな~」と、改めて感じたのだった。