日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

興味がそそられる広告

2012-04-23 20:30:36 | CMウォッチ
今日の朝刊に比較的大きなサイズで、チョッと興味のそそられる広告が掲載されていた。
その広告は、「リポビタンD」(注意:音声あり)の発売50周年のイベント告知の広告。

と言っても、サラッと見た限りでは余り興味がわく内容ではないかも知れない。
なぜなら、広告の中心は発売50周年の広告だからだ。
ただその下を見ると、チョッとしたイベントの告知がある。
リンクをしたサイトを見ていただいても分かるのだが、どうやら長い間使われてきた「リポビタンD」のキャッチコピー「ファイト一発」にかけたイベントのようだ。

HPでは、そのイベントの詳細が書かれていないようだが、新聞の広告にはその内容の一部が記載されている。
その内容に、興味があったのだ。
その内容とは・・・。
「5月10日、午後1時8分、日本中に向けて『ファイトイッパツ』と叫ぶ」というもの。
叫ぶという行為そのものよりも「日本中に向けて、(製造・販売元の)大正製薬さんがどのようなカタチで叫ぶのだろう?」と、その手法に興味がわくのだ。
ネットで叫ぶ?
社員一同、本支店・営業所含め各地で叫ぶ?
テレビやラジオなどのメディアを使って叫ぶ?
日本中で叫ぶ方法を考えるだけでも、いろいろな方法が思い浮かぶ。

「広告」としては、この興味を引いた時点である程度成功していると思う。
「イベントを広く知らせる」というコトだけではなく、その内容について興味を持ってもらうという点が重要なのだから。
そのように考えると、このイベントはともかく最近の広告には「広く知らせる」だけで終わっている広告が多いような気がする。

「広告」という文字を見れば、確かに「広く知らせる」コトが目的なのだが、「広く知らせる」だけでは、広告ではないと思う。
少なくとも「興味を持ってもらう」コトで、その商品・サービスに対する認知度も上がり、それが最終的には購買へと結びつかなくては、意味が無いからだ。
購買へと結びつかなくても、「何だろう?」と考えてもらうというコトがとても大切な役目を持っているはずなのだ。
だからといって、きわどい言葉や表現で気を引くというのは決してよいことではない。
大切なことは「ユーモア」なのだと思う。

この「リポビタンD」のイベントにしても、何も日本中に向けて「ファイトイッパツ」と叫ぶ必要は無い。
50周年の記念というのであれば、プレゼントキャンペーンなどのほうが生活者の気を引くことは出来ると思う。
にもかかわらず、発売以来変わらずに使っているキャッチコピーを日本中に向けて叫ぶ、というイベントを企画したのは、大正製薬さんのユーモアなのだと思う。
なんとなく、行き詰まり感のある今だからこそ、ユーモアが大切なのでは?
そんなことも考えさせられる広告だった。