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W杯、フランス代表とオランダ代表の違い

2010-06-23 17:45:17 | ビジネス
W杯南アフリカ大会も、そろそろ決勝トーナメント出場国が決まり始めた。
お隣・韓国もどうやら決勝トーナメント進出を決めたようだ。
そんな中、いわゆる「強豪」と言われる国が苦戦を強いられている。
イングランドやスペインなど、「アレ?どうしちゃったの?」という感じだ。
特に1勝もするコト無く、敗退が決まったフランスについては、「ヨーロッパ予選の強さはどこに???」という感じだ。
ヨーロッパ予選での成績は、5勝5分失点わずか2と言う成績だったのだ。

テレビのニュースなどで話題になっていたので、ご存知の方も多いと思うのだが、今大会のフランス代表は、これまでに無いほどまとまりが無い。
選手一人ひとりの実力で言えば、このような結果で終わるようなチームではない。
にも関わらず、予選敗退となった大きな理由は「チームにまとまりが無かった」と言う点だろう。
噂では監督が「占星術で選手起用を決めていた」と言う話もあるようだが、監督、コーチ、選手総ての人たちが、「勝利」と言う目的に向いていなかったと言うコトだろう。
もちろん、選手も監督、コーチも「勝ちたい」気持ちはあったと思うのだが、「自分たちの良さを活かして、自分たちらしいサッカーで勝ちに行く」と言うチーム内のコンセンサスがあったようには思えない。

フランスとは対照的なのは、先日、日本が対戦したオランダ代表だろう。
今大会のオランダは、優勝候補の一角に上げられているようだが、オランダが優勝候補に上がるのは今回が初めてではないはずだ。
これまで、オランダは過去何度も優勝候補の一角として名前が挙がってきたのだが、優勝するコトは無かった。
大航海時代、植民地で支配していた側とされていた側の子孫たちが、一つのチーム内にいることで、なかなか一つにまとまることができなかった。
それが、強豪といわれながら優勝ができない理由といわれていた。

今回の試合(と言っても初戦となったベルギー戦のみだが)を見ていると、「オランダらしい、攻撃的なパスサッカーを展開している」様に見える。
互いに良いプレーを引き出そうとしている場面が、多いような気がするのだ。

このオランダのプレーを見ていて思ったことの一つは、「個人の成果とチーム成果」と言う点だった。
フランスのように、選手個々の能力と実績があっても「一つの目標に向かって、自分たちの良さを互いに引き出しあう」ことができなければ、大きな結果には結びつかない。結びつかないどころか、不協和音で個々の能力を発揮できず、最悪の結果を生んでしまう。
サッカーのように、攻守が激しく入れ替わるようなスポーツであればこそ、「自分たちの強みを生かす、チームプレー」が、最大の成果を引き出すのだと思う。
その基本となるモノがあるとすれば、「チームとして何をするのか?」と言う明確なビジョンだと思う。

それはビジネスの世界でも同じだと思う。
高い能力が集まった集団だから、最大の成果を生み出すとは限らない。
それを具体的に現したのが、今回のフランス代表とオランダ代表のような気がする。