はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

伊号潜水艦

2009年11月24日 | はなし
 日本の潜水艦は「伊号第1潜水艦」からはじまるようだ。 これは第一次世界大戦末期にドイツで製造中だった最新型の「U142型」の設計図を日本が手に入れて、ほぼその設計図どおりに造られたものらしい。主要部品もほとんどドイツ製。1923年着工、24年進水、26年竣工。


 いま、僕は、映画『ローレライ』を観ながらこれを書いているが、これは第二次世界大戦末期の話で、ドイツ製の「伊号第57潜水艦」がその主役として登場する。 ただしこれはフィクションであるし、どうやら「伊号第57潜水艦」なるものは現実には存在しなかったようだ。 (ただし、「伊号第58潜水艦」は存在し働いた。)


 潜水艦の発想は数千年前の昔からあったようだが、なかなか実用化はむつかしかった。19世紀においてさえ、潜水艦の動力は、「手動」であった。 海上の船とちがって「空気の問題」があって、蒸気機関をそのまま使うわけにはいかなかったからだ。(『海底二万マイル』のノーチラス号はネモ船長発明の新電池だったわけだが。)
 それは当然で、蒸気機関は(SLを見ればわかるように)大量に「空気」が必要だし、「排気ガス」も捨てなければいけないが、それを海中にボコボコ出していたら、敵に居場所を知らせるようなもので、それでは潜水艦の意味がない。
 Wikipediaによれば、「内燃機関を搭載した最初の潜水艦は、1900年に米国で建造されたホーランド潜水艦(水中排水量74t)である」ということである。そしてその後、潜水艦を大きく発達させたのはドイツである。第一次世界大戦後、世界各国は敗戦国ドイツの潜水艦を手に入れ、その技術を吸収した。日本もそれに遅れまいと機敏に動きドイツ潜水艦「U142型」の設計図を入手したわけである。
 19世紀後半から20世紀前半にかけて、ドイツの「技術」は多くの面でたしかに世界トップにあったように思われる。(たとえば鉛筆がそうだった。)

 とはいえ、当時の潜水艦は基本的には海上を進み、潜る時にはディーゼルエンジンは停止して電気に切り替える。ディーゼルだってやっぱり「酸素」を必要とするし「排気ガス」も出るからだ。
 つまり、(ノーチラス号のように)海の中を自由にすいすい、というわけにはいかない。 「潜ることもできる戦艦」というのがほんとうの姿だろう。


 さて、現代の潜水艦は無限に(ほんとうの無限ではないとしても)潜っていられると聞いたが、「空気の問題」はどう解決しているのだろうか?


 (追記: 『ローレライ』の潜水艦は、「伊507」でした。)


追追記: 大きなまちがいを書いてしまったようです。どうやら日本初の潜水艦は1905年にアメリカから分解輸入した「第一潜水艦」が正しいようです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする