先般、当ブログへのyayayaさんのコメントで初めて知りましたが、ウォーターハウス作品の受難は美術界でかなり反響を呼んでいるようです。
事件(?)はーー
イギリスのマンチェスター市立美術館が、「ヒュラスとニンフたち」を一時撤去して曰く、「女性の体を「受動的な美しい物として、あるいはファム・ファタル(運命の女)」として提示する「非常に古臭い」方法を検討しなおしたい」と述べた由。
さらに学芸員のクレア・ガナウェイ氏は、「このような作品が公立美術館にあってはいけないと言っているのではない。このような絵画について、従来の解釈方法を再検討し、絵画が別の形で見る人に語りかけられるようにすべきではないかと、提起したい」と語ったのだそうです。
おい、おい、ナチスの「健康ヌード」を礼賛する気かね、というのが大半の反応で、作品は一週間後にまたもとどおり。
わたしも最初、撤去の話を聞いた時は、今どきそんな馬鹿なことをする美術館もあるまいから、me too運動のゆきすぎに一石を投じるため、あるいは集客のためのひねったPRかなと思ったほどです。けっこう本気だったようですね~ 驚いた、というか、一人の過激なフェミニストの意見に館全体が賛同してほんとに撤去してしまったのが怖いと思いました(どうせなら売りにだせばよかったのに。世界中から買い手が殺到するでしょう)
ヌード作品からエロスと毒と妄想をとりのぞくとどんなに味気なくなるか、誰も知るとおり。また「古臭い」のは制作年度を見ればわかることで、芸術もまた歴史と文化から自由ではいられないというだけのことです。それを伝えればいい。
危険な香りのないヌードなんて、00のないコーヒーみたい(古臭い比喩?)
この「ヒュラスとニンフたち」は、拙著「ヌード」(美術全集アートギャラリー第5巻)でも取り上げています。解説の一部は以下
「~周囲は暗く、ニンフたちの裸体の白さが浮き上がって見える。水面は蓮の葉に覆われている。白睡蓮の学名はニンファエアで、ニンフに由来する。つまり彼女らこそが花なのだ。
暗闇に仄白く咲き誇る美しいニンフは7人。(中略)彼女らの顔はいつもながらのウォーターハウス調、すなわち独特のポーカーフェイスで、何を考え感じているのか、まったくうかがえない。ほんのりとバラ色の頬に唇も赤いが、媚びも笑みもない。そしてみな似通った顔、似かよった身体つきだ。見分けがつかない~」
男性の担当者さんが、こんなふうに水中に引き込まれるなら死んでもいい、と言っていたのが記憶に残っています。
☆☆今後の講演会
・3月10日(土)13:30~15:00 「プラド美術館展の見どころ」
よみうり大手町スクール(読売新聞社3階)
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01gpvxzcmc0z.html
・3月23日(金)6時半~ 京王ホテル 東京青年医師会早朝講演(関係者のみの御参加です)
・4月4日(火) 札幌JRタワーおとな大学 第31回開講
http://www.jr-tower.com/topics_detail/2577
☆☆月刊「文藝春秋」連載「中野京子の名画が語る西洋史」のオンライン化
http://bunshun.jp/articles/-/4976
☆最新刊「アートギャラリー ヌード~かぐわしき夢」(集英社)
name="amazletlink" target="_blank"> alt="ART GALLERY テーマで見る世界の名画 5 ヌード かぐわしき夢 (ART GALLERYテーマで見る世界の名画 5)" style="border: none;" />
☆「別冊NHK100分de名著 読書の学校 中野京子 特別授業 『シンデレラ』 (教養・文化シリーズ) 2刷になりました🎵 「ジュニアエラ」で紹介しました→https://dot.asahi.com/dot/2018011700013.html?page=1
name="amazletlink" target="_blank"> alt="別冊NHK100分de名著 読書の学校 中野京子 特別授業 『シンデレラ』 (教養・文化シリーズ)" style="border:
none;" />
☆「名画で読み解く イギリス王家12の物語」(光文社新書)4刷になりました🎵
name="amazletlink" target="_blank"> alt="名画で読み解く イギリス王家12の物語 (光文社新書)" style="border: none;" />
☆『怖い絵のひみつ』(KADOKAWA) 4刷になりました🎵
name="amazletlink" target="_blank"> alt="怖い絵のひみつ。 「怖い絵」スペシャルブック" style="border: none;" />
☆『中野京子と読み解く運命の絵」(文藝春秋) 2刷になりました🎵
name="amazletlink" target="_blank"> alt="中野京子と読み解く 運命の絵" style="border: none;" />
☆「新 怖い絵」(角川書店) 10刷になりました🎵
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☆「名画と読むイエス・キリストの物語」(文春文庫)
時代小説作家の千野隆司氏がHPで紹介してくださいました♪
⇓
http://blog.livedoor.jp/chino17jidai/archives/52067341.html#comments
☆「美術品でたどる マリー・アントワネットの生涯」(NHK新書)
☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文春文庫)
『弐代目 青い日記帳』さんがさっそく紹介してくださいました♪ 3月6日のページです。
http://bluediary2.jugem.jp/
☆「残酷な王と悲しみの王妃 2」(集英社)
担当者さんが紹介してくれました♪
↓
http://renzaburo.jp/shinkan_list/temaemiso/151023_book01.html
☆『「絶筆」で人間を読む - 画家は最後に何を描いたか』(NHK出版新書)
3刷になりました♪
☆「中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇」(文藝春秋)3刷になりました🎵
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163903089/hanatumuhiton-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">
「青い日記帳」さんが紹介してくださいました。素敵な紹介で嬉しいです♪
→http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4050
☆文藝春秋WEBサイトでは、短いですけどわたしのインタビュー記事も載りました。お読みくださいね!→http://hon.bunshun.jp/articles/-/3935
☆「名画の謎 ギリシャ神話篇」(文春文庫) 2刷になりました🎵
☆「愛と裏切りの作曲家たち 」(光文社知恵の森文庫)
☆「マンガ西洋美術史03」(美術出版)
☆「マンガ西洋美術史02」(美術出版社)
☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川文庫) 4刷になりました。
☆「マンガ西洋美術史01」監修(美術出版社)
☆「ヴァレンヌ逃亡」(文春文庫)
☆「名画で読み解く ロマノフ家12の物語」(光文社新書)4刷になりました♪
☆「印象派のすべて」(宝島社別冊ムック)
☆「名画に見る 男のファッション」(角川書店)
☆「橋をめぐる物語」(河出書房)
☆「中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇」(文藝春秋) 3刷になりました♪
☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社文庫)4刷になりました♪
☆「怖い絵」(角川文庫) 単行本に新しく書き下ろし2作を加え、全22作品です。14刷になりました🎵
☆「はじめてのルーヴル」(集英社)2刷になりました🎵
☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文藝春秋) 5刷になりました🎵
☆「怖い絵 死と乙女篇」(角川文庫) 12刷になりました🎵
☆最新刊「名画と読む/イエス・キリストの物語」(大和書房) 3刷になりました🎵
☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川書店) 2刷になりました🎵
☆「危険な世界史 血族結婚篇」(角川文庫)10刷になりました🎵
☆「怖い絵 泣く女篇」(角川文庫)~「怖い絵2」の文庫化~ 17刷になりました🎵
☆『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋) 7刷になりました🎵
☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)6刷になりました♪
☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 16刷になりました🎵
☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」 8刷になりました♪
☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書) 22刷になりました🎵
☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫) 3刷になりました🎵
☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版。 2刷になりました。
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☆以下の単行本は絶版としました。文庫本をお求めくださいまし~
☆「怖い絵」16刷中。
☆「怖い絵2」、9刷中。
☆「怖い絵3」 6刷中。
事件(?)はーー
イギリスのマンチェスター市立美術館が、「ヒュラスとニンフたち」を一時撤去して曰く、「女性の体を「受動的な美しい物として、あるいはファム・ファタル(運命の女)」として提示する「非常に古臭い」方法を検討しなおしたい」と述べた由。
さらに学芸員のクレア・ガナウェイ氏は、「このような作品が公立美術館にあってはいけないと言っているのではない。このような絵画について、従来の解釈方法を再検討し、絵画が別の形で見る人に語りかけられるようにすべきではないかと、提起したい」と語ったのだそうです。
おい、おい、ナチスの「健康ヌード」を礼賛する気かね、というのが大半の反応で、作品は一週間後にまたもとどおり。
わたしも最初、撤去の話を聞いた時は、今どきそんな馬鹿なことをする美術館もあるまいから、me too運動のゆきすぎに一石を投じるため、あるいは集客のためのひねったPRかなと思ったほどです。けっこう本気だったようですね~ 驚いた、というか、一人の過激なフェミニストの意見に館全体が賛同してほんとに撤去してしまったのが怖いと思いました(どうせなら売りにだせばよかったのに。世界中から買い手が殺到するでしょう)
ヌード作品からエロスと毒と妄想をとりのぞくとどんなに味気なくなるか、誰も知るとおり。また「古臭い」のは制作年度を見ればわかることで、芸術もまた歴史と文化から自由ではいられないというだけのことです。それを伝えればいい。
危険な香りのないヌードなんて、00のないコーヒーみたい(古臭い比喩?)
この「ヒュラスとニンフたち」は、拙著「ヌード」(美術全集アートギャラリー第5巻)でも取り上げています。解説の一部は以下
「~周囲は暗く、ニンフたちの裸体の白さが浮き上がって見える。水面は蓮の葉に覆われている。白睡蓮の学名はニンファエアで、ニンフに由来する。つまり彼女らこそが花なのだ。
暗闇に仄白く咲き誇る美しいニンフは7人。(中略)彼女らの顔はいつもながらのウォーターハウス調、すなわち独特のポーカーフェイスで、何を考え感じているのか、まったくうかがえない。ほんのりとバラ色の頬に唇も赤いが、媚びも笑みもない。そしてみな似通った顔、似かよった身体つきだ。見分けがつかない~」
男性の担当者さんが、こんなふうに水中に引き込まれるなら死んでもいい、と言っていたのが記憶に残っています。
☆☆今後の講演会
・3月10日(土)13:30~15:00 「プラド美術館展の見どころ」
よみうり大手町スクール(読売新聞社3階)
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01gpvxzcmc0z.html
・3月23日(金)6時半~ 京王ホテル 東京青年医師会早朝講演(関係者のみの御参加です)
・4月4日(火) 札幌JRタワーおとな大学 第31回開講
http://www.jr-tower.com/topics_detail/2577
☆☆月刊「文藝春秋」連載「中野京子の名画が語る西洋史」のオンライン化
http://bunshun.jp/articles/-/4976
☆最新刊「アートギャラリー ヌード~かぐわしき夢」(集英社)
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☆「別冊NHK100分de名著 読書の学校 中野京子 特別授業 『シンデレラ』 (教養・文化シリーズ) 2刷になりました🎵 「ジュニアエラ」で紹介しました→https://dot.asahi.com/dot/2018011700013.html?page=1
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☆「名画で読み解く イギリス王家12の物語」(光文社新書)4刷になりました🎵
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☆『怖い絵のひみつ』(KADOKAWA) 4刷になりました🎵
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☆『中野京子と読み解く運命の絵」(文藝春秋) 2刷になりました🎵
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☆「新 怖い絵」(角川書店) 10刷になりました🎵
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☆「名画と読むイエス・キリストの物語」(文春文庫)
時代小説作家の千野隆司氏がHPで紹介してくださいました♪
⇓
http://blog.livedoor.jp/chino17jidai/archives/52067341.html#comments
☆「美術品でたどる マリー・アントワネットの生涯」(NHK新書)
☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文春文庫)
『弐代目 青い日記帳』さんがさっそく紹介してくださいました♪ 3月6日のページです。
http://bluediary2.jugem.jp/
☆「残酷な王と悲しみの王妃 2」(集英社)
担当者さんが紹介してくれました♪
↓
http://renzaburo.jp/shinkan_list/temaemiso/151023_book01.html
☆『「絶筆」で人間を読む - 画家は最後に何を描いたか』(NHK出版新書)
3刷になりました♪
☆「中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇」(文藝春秋)3刷になりました🎵
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163903089/hanatumuhiton-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">
「青い日記帳」さんが紹介してくださいました。素敵な紹介で嬉しいです♪
→http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4050
☆文藝春秋WEBサイトでは、短いですけどわたしのインタビュー記事も載りました。お読みくださいね!→http://hon.bunshun.jp/articles/-/3935
☆「名画の謎 ギリシャ神話篇」(文春文庫) 2刷になりました🎵
☆「愛と裏切りの作曲家たち 」(光文社知恵の森文庫)
☆「マンガ西洋美術史03」(美術出版)
☆「マンガ西洋美術史02」(美術出版社)
☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川文庫) 4刷になりました。
☆「マンガ西洋美術史01」監修(美術出版社)
☆「ヴァレンヌ逃亡」(文春文庫)
☆「名画で読み解く ロマノフ家12の物語」(光文社新書)4刷になりました♪
☆「印象派のすべて」(宝島社別冊ムック)
☆「名画に見る 男のファッション」(角川書店)
☆「橋をめぐる物語」(河出書房)
☆「中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇」(文藝春秋) 3刷になりました♪
☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社文庫)4刷になりました♪
☆「怖い絵」(角川文庫) 単行本に新しく書き下ろし2作を加え、全22作品です。14刷になりました🎵
☆「はじめてのルーヴル」(集英社)2刷になりました🎵
☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文藝春秋) 5刷になりました🎵
☆「怖い絵 死と乙女篇」(角川文庫) 12刷になりました🎵
☆最新刊「名画と読む/イエス・キリストの物語」(大和書房) 3刷になりました🎵
☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川書店) 2刷になりました🎵
☆「危険な世界史 血族結婚篇」(角川文庫)10刷になりました🎵
☆「怖い絵 泣く女篇」(角川文庫)~「怖い絵2」の文庫化~ 17刷になりました🎵
☆『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋) 7刷になりました🎵
☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)6刷になりました♪
☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 16刷になりました🎵
☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」 8刷になりました♪
☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書) 22刷になりました🎵
☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫) 3刷になりました🎵
☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版。 2刷になりました。
^^^^^^^^^^^^^^^^
☆以下の単行本は絶版としました。文庫本をお求めくださいまし~
☆「怖い絵」16刷中。
☆「怖い絵2」、9刷中。
☆「怖い絵3」 6刷中。
↑三島由紀夫さん著『不道徳教育講座』のなかの痴漢についての章を思い出しましたねぇ。女性から人格・個性を取り去ることで生まれる妄想の中の理想像・・・
あの絵の性別を逆転させたような絵(無個性、無人格の美青年達に囲まれ、陶然としている女性の絵)は無いのでは、とフと思いました。
でも去年見た映画「女神の見えざる手」には、黄金の心をもつ男娼が登場して、おお、と思いましたよ♪