中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

国立新美術館、評議委員会

2016年03月21日 | 音楽&美術
 先日、六本木の国立新美術館で評議委員会があり、出席してきました。今年から評議員になったのです。

 大学を辞めて物書き生活ですので、一つくらい何かに属すのもいいかなと思って。

 それにここの美術館とは何かとご縁がありました。「THE ハプスブルク展」と「エルミタージュ展」で講演しましたし、去年は館長氏たちとの鼎談もあり、TVでは「ぶらぶら美術館」などでも使わせていただきました。

 さて、初めての評議委員会。黙って報告を聞くだけかなと思っていましたら、とても活発な意見交換で、すごく面白く、いろいろ新鮮でした!

 青木館長の意向で19人中8人が女性で、こういう会としては女性率がとても高いです。職種もさまざまで、新聞社や雑誌社の方、日展などの理事、別の美術館の館長、音楽家、大学教授、文学界からも。そしてフランス人も。

 共通しているのは、皆さんとにかく日本の美術界を何とか活性化させたいという思いが強いこと。今回の議題でも、去年の各展覧会の入場者数が予測と外れて少なかった原因についての意見が飛び交いました。
 
 もちろんこの美術館は他の国公立美術館とは比べものにならないほどの入場者数を誇ります(年間240万人近く、世界21位にランキング)。学芸員の数の少なさ、予算の少なさの中でとても頑張っているのがわかります。

 討議の中でわたくし的に得心したことが一つ。日本は文化とスポーツを一まとめにし、予算や優遇度は後者にばかり傾いています。学校での体育の授業も多い(ヨーロッパは学校で体育の授業などありません)。これは政治家にスポーツ界出身が多いことも要因だというのです。確かになあ。。。

 誤解していたこともありました。海外の美術館のように、どうして先生が生徒を引率する姿が見られないのだろう、美術館が断っているのだと思っていました。逆でしたあ! 美術館側が勧めても学校側が乗り気じゃないというのです! びっくり!

 そういえばネットニュースに、先生が29回も試験をしないで成績を付けていたとの批判記事がありましたが、よくよく読むと年間69回の試験のうちの29回ということでした。ぎょえ~ 
 年間30人の子たちに70回近い試験が義務づけられているなんて、先生がかわいそうすぎ。これじゃ美術館へ引率する時間も作れぬ道理で。


☆☆☆今後の講演予定

・4月17日(日)1時半~3時半 NHK文化センター大阪梅田教室
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1092072.html

・5月28日(土)2時~2時20分
METライブビューイング『ロベルト・デヴェリュー』本編上演前のトークイベント
http://met-live.blogspot.jp/2016/03/blog-post_23.html

・6月25日(土) 1時半~3時
新宿朝日カルチャー


☆最新刊「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文春文庫)

名画の謎 旧約・新約聖書篇 (文春文庫 な)
  『弐代目 青い日記帳』さんがさっそく紹介してくださいました♪ 3月6日のページです。
http://bluediary2.jugem.jp/


☆「残酷な王と悲しみの王妃 2」(集英社)

残酷な王と悲しみの王妃2
担当者さんが紹介してくれました♪


http://renzaburo.jp/shinkan_list/temaemiso/151023_book01.html


☆『「絶筆」で人間を読む - 画家は最後に何を描いたか』(NHK出版新書)
 3刷になりました♪

「絶筆」で人間を読む―画家は最後に何を描いたか (NHK出版新書 469)

☆「中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇」(文藝春秋)2刷になりました♪

中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇
「青い日記帳」さんが紹介してくださいました。素敵な紹介で嬉しいです♪
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4050

☆文藝春秋WEBサイトでは、短いですけどわたしのインタビュー記事も載りました。お読みくださいね!→http://hon.bunshun.jp/articles/-/3935


☆「名画の謎 ギリシャ神話篇」(文春文庫)

名画の謎 ギリシャ神話篇 (文春文庫)


☆「愛と裏切りの作曲家たち 」(光文社知恵の森文庫)

愛と裏切りの作曲家たち


☆「マンガ西洋美術史03」(美術出版)

マンガ西洋美術史03 「市民社会」を描いた画家」 ブリューゲル、フェルメール、ホガース、ミレー、ゴッホ



☆「マンガ西洋美術史02」(美術出版社)
マンガ西洋美術史02「宗教・神話」を描いた画家  ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ティツィアーノ、エル・グレコ、ルーベンス


☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川文庫)

危険な世界史 運命の女篇 (角川文庫)

☆「マンガ西洋美術史01」監修(美術出版社)
マンガ西洋美術史01 「宮廷」を描いた画家 ベラスケス、ヴァン・ダイク、ゴヤ、ダヴィッド、ヴィジェ=ルブラン


☆「ヴァレンヌ逃亡」(文春文庫)
ヴァレンヌ逃亡 マリー・アントワネット 運命の24時間 (文春文庫 な 58-2)


☆「名画で読み解く ロマノフ家12の物語」(光文社新書)2刷になりました♪

名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)   

☆「印象派のすべて」(宝島社別冊ムック)
印象派のすべて (別冊宝島 2200)

☆「名画に見る 男のファッション」(角川書店)
名画に見る男のファッション (単行本)

☆「橋をめぐる物語」(河出書房)
中野京子が語る 橋をめぐる物語

☆「中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇」(文藝春秋) 3刷になりました♪
中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇

☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社文庫)4刷になりました♪
残酷な王と悲しみの王妃 (集英社文庫)

☆「怖い絵」(角川文庫) 単行本に新しく書き下ろし2作を加え、全22作品です。8刷になりました♪
怖い絵  (角川文庫)

☆「はじめてのルーヴル」(集英社)2刷になりました♪
はじめてのルーヴル (集英社文芸単行本)

☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文藝春秋) 5刷になりました♪
中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇

☆「怖い絵 死と乙女篇」(角川文庫) 5刷になりました♪
怖い絵  死と乙女篇 (角川文庫)

☆最新刊「名画と読む/イエス・キリストの物語」(大和書房) 3刷になりました♪
名画と読むイエス・キリストの物語

☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川書店) 2刷になりました。
危険な世界史 運命の女篇

☆「危険な世界史 血族結婚篇」(角川文庫)6刷になりました♪
危険な世界史 血族結婚篇 (角川文庫)

☆「怖い絵 泣く女篇」(角川文庫)~「怖い絵2」の文庫化~ 11刷になりました
怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)

☆『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋) 6刷になりました♪
中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇


☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)5刷になりました♪
印象派で「近代」を読む―光のモネから、ゴッホの闇へ (NHK出版新書 350)

☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 12刷になりました♪
「怖い絵」で人間を読む 生活人新書


☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」 6刷になりました♪
名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (光文社新書)

☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書) 19刷になりました♪
名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)

☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)

☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫) 2刷になりました♪
おとなのための「オペラ」入門 (講談社+α文庫)

☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
恐怖と愛の映画102 (文春文庫)

☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫)



☆以下の単行本は絶版としました。文庫本をお求めくださいまし~

☆「怖い絵」16刷中。怖い絵

☆「怖い絵2」、9刷中。 怖い絵2

☆「怖い絵3」 6刷中。 怖い絵3

















 
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6 コメント

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ありがとうございます♪ (大和田繭)
2016-04-23 09:21:34
中野先生、おはようございます。

先日のコメントにお返事くださって、ありがとうございます!
しかも質問文つき!!

イザベラ・バードと松井須磨子に、けっこう本格的に
泣いてしまったので、やはり悲恋のほうが、人の心を
打つのでしょうか。
確かに、のろけ話を聴いても楽しくないですからね。

今日から「怖い絵」シリーズを読みます、
楽しみです♪
返信する
Unknown (大和田繭さん (kyoko)
2016-04-22 10:57:00
 恋の本、そしてカルチャーへのご参加、ありがとうございます♪
 トルストイではないけれど、幸せな恋はみな似通っているけれど、不幸な恋はそれぞれ違う顔をしていますね~ どの恋に泣いたのかな?
返信する
ついに!! (大和田繭)
2016-04-20 19:58:36
中野先生、こんばんは♪

ご多用のところ、いつもコメントにお返事くださって、
ありがとうございますU+2764

歴史が語る恋の嵐を読み終えまして、今回も
本当に最初から最後まで身の詰まったタイ焼きを
食べたような、いや、そんな陳腐な表現ではダメな、
シンプルに言えば感動しました、感情移入しすぎて、
胸がつまり、涙が出てしまうお話もいくつかありました。
そしてエピソードの分だけ自分が恋した気分になり、
お得な気持ちにもなりました!!
ありがとうございましたU+2764

いつか先生のご講義を拝聴したい!と願っていましたら、
6月の朝日カルチャーさんのお講座に参加できることになり、
今、鼻血が出そうなほど、ワクワクしてます!
ゴールデンウイークをすっ飛ばして目指すは6月です!
お目にかかるのを楽しみにしております!!
返信する
Unknown (carpediemさん &kicさん (kyoko)
2016-03-24 21:28:13
carpediemさん
 そうなんですか。わたしは美術の先生が説明しているのかと思っていました。そういうことなら日本でも、専門業者ができてもいいように思いますが、もし何か起こったらやはり学校の責任ということでハードルが高いのかなあ。。。マスコミはありとあらゆる責任を学校に負わせようとしているみたいですもんね~教師は神じゃないのに。

kicさん
 聴きにいらしてくださるとのこと、嬉しいです♪ イギリス3部作の中ではちと地味なこのオペラですけど、以前グルベローヴァのエリザベスに仰天しました。有名なあのラスト。。。今回はコスチューム演出なので、あれは無しでしょうけど。
返信する
MET!! (kic)
2016-03-23 23:25:48
京子先生こんにちは。
先日はありがとうございました。
さて、美術館引率の件。子供たちに質問されてまともな回答や解説が出来る先生がいない、というか、質問を受ける自信がないんじゃないかなぁ?と、思ったりもします。
いい大人が、子供の頃ピアノを習っていたからクラシックは何となく分かる、といいながら、交響曲に番号がついている事すら知らない人がいてビックリした事があります。実技の教育はできているつもりでも、教養としての教育は欠如しているのかもしれませんね。
それにしても、MET !私の為にあるような(笑)イベントですね!!マリア・ストゥアルダでも見直して楽しみにしていますね(о´∀`о)
返信する
Unknown (carpediem)
2016-03-23 18:28:42
これはフランスとイタリアで見たことですが、美術館での課外授業や1日遠足などは学校の先生が連れていくのではなく、それを専門にやってる業者のガイドが連れて行くようです。なので先生は生徒のひとり、つまりお客さん状態で参加しています。ヨーロッパ各国で聞くと、学校の先生はホントに「教える」ことだけをしていて、クラブの顧問とか家庭訪問とか遠足の引率、etc.は全く業務に無いようです。そして夏休みは3ヶ月近くあるし…日本の学校の先生にとっては「羨ましい…」の一言ですよね…
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