中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

「エンド・オブ・ホワイトハウス」のびっくり

2013年07月16日 | 映画
 そういえば先月、仕事と仕事の間に短めの映画を一本見られるだけの時間があいたため、ひとりで「エンド・オブ・ホワイトハウス」(A・フーリア監督)を見てきました。

 他愛ないアクション映画ですが、「ダイハード」の国際版、みたいな宣伝文句だったので、どれどれ、と。

 見たら、いかに「ダイハード」がリアリティあったかを改めて感じました。こちらは話が大きすぎて。。。

 北朝鮮が仇役です。それはいいのですが、あれほど武装した集団が直接ホワイトハウスを空から陸から襲うのに、アメリカはおよそ手も足も出ないという設定で、ありえない情けなさです。

 しかも統合参謀総長や国務長官は殴られてコード名を吐いてしまうし、大統領も息子を盾に脅されたら、アメリカの滅亡を選びかねない始末。いいのかな、こんな描き方。「ダイハード」の日本人支社長なんか、死んでも金庫の暗礁ナンバーを教えなかったというのに。

 かつて大統領がテロリストをひとりで全部やっつけて、おまけに飛行機の操縦までするという、別の意味でトンデモ映画がありましたが、思えばあのころの大統領はヒーローだった。今やこんな状態に。。。9・11以降のアメリカの萎縮ぶりがわかります。

 しかもラスト近く、ホワイトハウスが半ば崩壊した中、主人公が大統領を助けながら「こんな有様になって」と言うと、大統領の返事が「保険でまかなえる」。
 びっくりしゃっくりとはこのこと。アメリカの観客はここで笑うのかな?

 じゃあ面白くなかったかと言えば、そんなことはなくて、ヒットも納得でした。ま、もうちょっと丁寧に作ったら、と惜しかったけれど。

 さて、来週はまた旅行で当ブログはお休みです。次回は30日に!


☆☆講演会予定。

7月20日(土)
朝日カルチャー梅田教室 13時半~15時
「はじめてのルーヴル」出版記念講座
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=205599&userflg=0

9月7日(土)13:00-16:00(途中休憩あり)
NHK文化センター名古屋
「怖い絵~名画で西洋史を知る」
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_861495.html


☆最新刊「はじめてのルーヴル」(集英社)
はじめてのルーヴル

☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文藝春秋) 
3刷になりました♪
産経新聞書評⇒ http://sankei.jp.msn.com/life/news/130120/bks13012008280003-n1.htm 中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇

「弐代目 青い日記帳」さんが取り上げてくださいました⇒ http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3088


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怖い絵  死と乙女篇 (角川文庫)


☆最新刊「名画と読む/イエス・キリストの物語」(大和書房)
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名画と読むイエス・キリストの物語



☆「マリー・アントワネット 運命の24時間
    ~知られざるフランス革命ーヴァレンヌ逃亡」(朝日新聞出版社)
 新聞評⇒http://chroniclelibrary.blogspot.jp/2012/04/asahi-shohyo_5455.html
     
マリー・アントワネット 運命の24時間 知られざるフランス革命ヴァレンヌ逃亡

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危険な世界史 運命の女篇

☆「危険な世界史 血族結婚篇」(角川文庫)5刷になりました♪
危険な世界史 血族結婚篇 (角川文庫)

☆「怖い絵 泣く女篇」(角川文庫)~「怖い絵2」の文庫化~
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 中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇
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文春「本の話」から、「自著を語る」(「謎が解けたら、絵画は最高のエンターテインメントになる」)はこちら

http://www.bunshun.co.jp/jicho/1104nakano/index.htm

☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)2刷になりました♪
印象派で「近代」を読む―光のモネから、ゴッホの闇へ (NHK出版新書 350)

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「怖い絵」で人間を読む (生活人新書)

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名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)

☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫 な 53-1)
「週刊朝日」書評⇒ http://book.asahi.com/reviews/column/2011100300004.html


☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社) 2刷中。
 レンザブローで本書についてインタビューが載っています。お読みくださいね!⇒ http://renzaburo.jp/(「特設サイト」をクリックしてください)

残酷な王と悲しみの王妃


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名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (光文社新書 463) 


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sai



















 



 
コメント (8)
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