中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

金縛りと「心の旅」

2011年12月13日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン<映画篇>」第72回の今日は「3人では多すぎる」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2011/12/post-9d9b.html#more
 キーラ・ナイトレーとレイフ・ファインズ主演「ある公爵夫人の生涯」について書きました。
 映画のヒロインであり、実在の侯爵夫人だったジョージアナは、ダイアナ元妃とよく比較されますが、死んだのは48歳、病死の由。

 さて、金縛りの話。中国語では「鬼圧」というそうで、鬼は霊を指すとか。霊が身体を圧する…言い得て妙とはこのこと。実際に金縛りにあったらそんな感じでした。

 我が妹はひんぱんに金縛りにあい、気持ち悪いおばあさんが胸の上に乗っていたとか、声を出そうとしても出ない、身体はぴくとも動かない、といろいろ聞いていたのですが、わたしは一度もそういう経験がなかったので、ふうん、とあまりピンときませんでした。

 ところが実際にあってみると(だいぶ前の話です)、いやあ、怖かった。金縛りの原因は身体は熟睡しているのに頭が働いているからだと言われますが、あんなに恐怖が伴うとは思わなかった。

 まず前段があります。前の晩、たまたまテレビをつけると、井戸からサダコが長髪をふり乱して出てくる映画「リング」をやっており、怖いの何の。。。

 で、次の夜は仲間と飲み会があって最終電車で帰宅。こういう日に限って家には誰もおらず、灯りのスイッチを入れながら思ったのは、「絶対にサダコのことは考えないようにしよう!」--要するに、オモイッキリ考えながら寝たわけです。

 明け方、うつぶせに寝るわたしの背中の上を何ものかが這い上がってきています。うわっ、出た、金縛りだ、と頭はモーレツに廻るわけです。頑張っても指一本ぴくりとも動きません。こいつがわたしの首のところまで這い上がってきたらもうダメだ!などと一生懸命考えます。確か妹は、声さえ出れば身体は動くと言っていた、と必死で発声しようとしました。全然ダメ。でも死に物狂いになってやっと、

 「あ~、だから今夜だけは~」

 とチューリップの「心の旅」が!!!
 いったいどこから突然この歌が。と思いましたが、あとで思うに、人間は母音が一番発声しやすく、だから赤ちゃんは「あ~」と最初に言うと、何かの本で読んだ記憶があったみたいです。この歌、「あ~」から始まりますもんね~

 という次第で、金縛りは解けました。解ける瞬間も怖かった。背中にいた(と信じていた)何ものかは、ざ~っという感じで足へと下がっていって消え、それとともに外からいろんな音が聞こえてきたのです。スズメの囀り、自動車のエンジン音etc. 
 自分が地上へ降りてきた、という感じでした。

 いやあ、二度と経験したくないです。
 皆さんも金縛りのときは「心の旅」を試してくださいね!


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sai
 

 



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