中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

短い恋、長い愛(世界史レッスン第12回)

2009年03月24日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン<映画篇>」第12回の今日は、「暇な貴族の恋愛遊戯』⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2009/03/post-ef74.html#more
 暇で好色な貴族が本気の恋に陥り、愕然とする様(しかしなかなか切ないものがありました)を描いた『危険な関係』について。

 ロラン・バルトの恋愛論から、いくつかの名言を以下ーー

 「恋は長続きしないという人がいる。しかし持続するものがなぜ良いのか。『続く」がなぜ「燃える」に優るのか?」

 「充足とは語られざるものだ。自我は傷つけられて初めて語る。現に充たされているとき、あるいは充たされた過去を思い出す時、言葉は無力になる」

 「恋の情熱とは一種の錯乱である。謎なのはむしろ、錯乱の喪失の方だ」

 「一瞬の肯定。ごく短い錯乱の瞬間といえども、確かに、何かが、しばしの成功をおさめたのだった。わたしは充たされた。そこでわたしは絶え間なくこの充足を呼び戻そうとする。もう一度この充足をくり返したいと、執拗に望み続ける」

 「恋愛の喪の期間には、絶えず次の言葉がたちもどってくる、「なんと残念な!」

 「登場人物が「疲れている」恋愛小説など、読んだことがない」

 --確かに、恋はエネルギーそのものですわね。


☆☆4月に講談社+α文庫でオペラ本が出ます。『おとなのためのオペラ入門』!詳しくはまた近づいてから。


☆今後の講演など

 4月3日(金)は、銀座プランタンで、6時半からのレクチャー。これは神戸での講演に準じるものなので、やはりマルガリータちゃんのお話。⇒ http://www.printemps-ginza.co.jp/school/index.html

 4月9日(木)は朝日カルチャー新宿にて、「怖い絵」関連のレクチャー。⇒ http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=38551&userflg=0

 5月23日(土)はJTBカルチャー新宿で、同じく「怖い絵」。でも朝日とは別ヴァージョンの予定です。⇒ http://jtbculture.com/search/detail.php?seq=3&ge=1&se=

 6月12日(金)は銀座の国際フォーラムで、日本呼吸器学会の基調講演。これはお医者様の学会員のみの参加になります。⇒ http://www.jrs.or.jp/jrs49/convocation.html



☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。<愛のフェア>本の一冊ですので、帯の写真は松山ケンイチさん♪「女の恋は 激しく、哀しい」がキャッチコピーです。

歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫 な 50-1)


☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、6刷になりました♪

名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html

危険な世界史

☆「怖い絵2」、5刷中。
月刊誌『美術の窓』最新号で紹介されました。ごらんください。

怖い絵2


☆『怖い絵』、11刷になりました。ありがとうございます♪ 「ほぼ日」での紹介。再録⇒ http://www.1101.com/editor/2007-11-13.html

怖い絵
怖い絵
posted with amazlet on 07.07.14
中野京子 朝日出版社 (2007/07/18)



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