中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

長崎出島でのシンクロ(世界史レッスン第127回)

2008年09月16日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン」第127回の今日は、「ピナテールこそあはれなりしか」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2008/09/post-5240.html
 医者で歌人の齋藤茂吉に歌われた、フランス人と遊女の恋について書きました。

 ところでピナテールについてはあまり資料がなく、たまたま長崎へ行ったとき出島跡(復元され、観光地になっています)を訪ねてみました。案内係の女性に聞くと、そんな名前は知らないとのこと。がっかり。。。

 それで資料館やらカピタン屋敷やらをぷらぷら廻り、広場のようなところへ出ました。史跡説明のボランティアをする男性とゆきあい、ダメもとで聞いてみました。すると。

 何とわたしたちが今立っているその場所が、ピナテール商会跡だというのです!小さな石碑までありました。うわあ、シンクロですわねえ。

 というわけで、一昨年このブログに書いたシンクロについての記事を、以下、再録ーー

 友人が、こういう実話を聞いた由(ラジオでの情報らしい)。

 --ある人が、具合の悪くなった愛犬を病院へ連れて行った。獣医は「これは重病だ。もう助からない」と宣告。
 帰宅するなり、その犬は突然ダッシュで玄関から走り出て、交通量の多い道路へ飛びだし、轢かれて即死。

 「自殺としか考えられない」
 飼い主はそう言うのだそうだ。なぜなら犬は生まれたときから室内で飼われており、これまで一度も、自分ひとりで外へ出て行ったことなどなかった。獣医に死を宣告され、悲観したに違いない、と--

 確かにそういうことはあるかもしれないなあ。
 象や猫だって、自ら死期を悟るとひっそりいなくなるというし、まして人間に長く飼われていた動物は言葉も解するのだから、獣医は本人(本犬?)の前で無神経な告知をすべきじゃないのでは・・・

 それで思い出したのだが、わたしが直接聞いた、犬にまつわる不思議な話しを2題。

 Aさんは東京で一人暮らし。実家には子どものときから可愛がっている犬がいて、めったに会えないのをお互い悲しがっている。先日、母親から仕事先に電話がきた。犬が右足の爪にひどいケガをして、手術することになったという。

 心配でならないけれど、おいそれとは帰郷できる立場にない。Aさんはその日一日憂鬱な気分で、夜、アパートへ帰った。背広を脱ぎ、靴下を脱ぐと・・・

 なんと右足が血まみれ。
 妙なことに、痛くも何ともない。ただ血が出ているだけ。よく見ると、親指の爪の間に小さな傷ができていた。愛犬がケガしたという箇所と同じだな、とぼんやり頭の隅で感じたそうだ。

 もうひとつはBさん、というより、Bさんのご主人の話し。
 夫婦はマンションの6階住まい。長年そこで犬を飼っていた。慣れたもので、犬は決してベランダへ下りたことがない。

 ところがあるとき、Bさんが買い物へ行っている間に、その犬はベランダから墜落死してしまう。ベランダへのガラス戸を開けたまま出かけたのは確かだが、これまでもいつもそうしていたし、なぜ今回に限って危険を承知でわざわざベランダへ行ったのか、しかも手すりの柵はかなり密なので、中型犬がそこをくぐりぬけるのは至難の業のはず。どうしてそんなことをしたのだろう、今もって謎と言う。

 不思議なのは、しかしこのことではない。

 事故が起こったちょうどそのとき、Bさんのご主人はヨルダンへ出張中だった。一仕事終え、観光のため死海のほとりを歩いていた。すると突然、青く高い空から小鳥がまっすぐ墜ちてきて、彼のすぐそばの石に激突した。

 小鳥の死骸を見て、彼の頭にまっさきに浮かんだのは、愛犬の身に何かあったに違いない、というほとんど確信めいた直感だったのだそう。


 --Aさんは、わりと霊感の強い人である。非常に感度のいい受信機といった趣き。
 一方、Bさんのご主人は、ごりごりのリアリストで科学者で、目に見えないものの存在は絶対信じないタイプ。

 どんなタイプであれ、起こるときは起こるということかしらん・・・



☆最新刊「ハプスブルク家 12の物語」(光文社新書)、4刷が決まりました♪ 
名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
2年分の世界史レッスン(100エピソード)の書籍化です♪
 「美術手帖10月号<琳派>」(p.192)で紹介されました。

危険な世界史

☆「怖い絵2」、東海テレビの「書店員さんのいちおし本」で紹介されました。名古屋三省堂の海老原さん、ありがとうございました~!!(この声、届くかな?)

怖い絵2


☆『怖い絵』、9刷になりました。ありがとうございます♪

怖い絵
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posted with amazlet on 07.07.14
中野京子 朝日出版社 (2007/07/18)


 コメントのシステムが変わったらしく、数字を入れなくてはならないようです。その時、文字を半角にして数字を入れないとうまく機能しません(実はわたしも全角で一生懸命何度もやって失敗しました)。お手数ですが、どうぞよろしく!

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長崎出島でのシンクロ(世界史レッスン第127回)

2008年09月16日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン」第127回の今日は、「ピナテールこそあはれなりしか」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2008/09/post-5240.html
 医者で歌人の齋藤茂吉に歌われた、フランス人と遊女の恋について書きました。

 ところでピナテールについてはあまり資料がなく、たまたま長崎へ行ったとき出島跡(復元され、観光地になっています)を訪ねてみました。案内係の女性に聞くと、そんな名前は知らないとのこと。がっかり。。。

 それで資料館やらカピタン屋敷やらをぷらぷら廻り、広場のようなところへ出ました。史跡説明のボランティアをする男性とゆきあい、ダメもとで聞いてみました。すると。

 何とわたしたちが今立っているその場所が、ピナテール商会跡だというのです!小さな石碑までありました。うわあ、シンクロですわねえ。

 というわけで、一昨年このブログに書いたシンクロについての記事を、以下、再録ーー

 友人が、こういう実話を聞いた由(ラジオでの情報らしい)。

 --ある人が、具合の悪くなった愛犬を病院へ連れて行った。獣医は「これは重病だ。もう助からない」と宣告。
 帰宅するなり、その犬は突然ダッシュで玄関から走り出て、交通量の多い道路へ飛びだし、轢かれて即死。

 「自殺としか考えられない」
 飼い主はそう言うのだそうだ。なぜなら犬は生まれたときから室内で飼われており、これまで一度も、自分ひとりで外へ出て行ったことなどなかった。獣医に死を宣告され、悲観したに違いない、と--

 確かにそういうことはあるかもしれないなあ。
 象や猫だって、自ら死期を悟るとひっそりいなくなるというし、まして人間に長く飼われていた動物は言葉も解するのだから、獣医は本人(本犬?)の前で無神経な告知をすべきじゃないのでは・・・

 それで思い出したのだが、わたしが直接聞いた、犬にまつわる不思議な話しを2題。

 Aさんは東京で一人暮らし。実家には子どものときから可愛がっている犬がいて、めったに会えないのをお互い悲しがっている。先日、母親から仕事先に電話がきた。犬が右足の爪にひどいケガをして、手術することになったという。

 心配でならないけれど、おいそれとは帰郷できる立場にない。Aさんはその日一日憂鬱な気分で、夜、アパートへ帰った。背広を脱ぎ、靴下を脱ぐと・・・

 なんと右足が血まみれ。
 妙なことに、痛くも何ともない。ただ血が出ているだけ。よく見ると、親指の爪の間に小さな傷ができていた。愛犬がケガしたという箇所と同じだな、とぼんやり頭の隅で感じたそうだ。

 もうひとつはBさん、というより、Bさんのご主人の話し。
 夫婦はマンションの6階住まい。長年そこで犬を飼っていた。慣れたもので、犬は決してベランダへ下りたことがない。

 ところがあるとき、Bさんが買い物へ行っている間に、その犬はベランダから墜落死してしまう。ベランダへのガラス戸を開けたまま出かけたのは確かだが、これまでもいつもそうしていたし、なぜ今回に限って危険を承知でわざわざベランダへ行ったのか、しかも手すりの柵はかなり密なので、中型犬がそこをくぐりぬけるのは至難の業のはず。どうしてそんなことをしたのだろう、今もって謎と言う。

 不思議なのは、しかしこのことではない。

 事故が起こったちょうどそのとき、Bさんのご主人はヨルダンへ出張中だった。一仕事終え、観光のため死海のほとりを歩いていた。すると突然、青く高い空から小鳥がまっすぐ墜ちてきて、彼のすぐそばの石に激突した。

 小鳥の死骸を見て、彼の頭にまっさきに浮かんだのは、愛犬の身に何かあったに違いない、というほとんど確信めいた直感だったのだそう。


 --Aさんは、わりと霊感の強い人である。非常に感度のいい受信機といった趣き。
 一方、Bさんのご主人は、ごりごりのリアリストで科学者で、目に見えないものの存在は絶対信じないタイプ。

 どんなタイプであれ、起こるときは起こるということかしらん・・・



☆最新刊「ハプスブルク家 12の物語」(光文社新書)、4刷が決まりました♪ 
名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
2年分の世界史レッスン(100エピソード)の書籍化です♪
 「美術手帖10月号<琳派>」(p.192)で紹介されました。

危険な世界史

☆「怖い絵2」、東海テレビの「書店員さんのいちおし本」で紹介されました。名古屋三省堂の海老原さん、ありがとうございました~!!(この声、届くかな?)

怖い絵2


☆『怖い絵』、9刷になりました。ありがとうございます♪

怖い絵
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posted with amazlet on 07.07.14
中野京子 朝日出版社 (2007/07/18)


 コメントのシステムが変わったらしく、数字を入れなくてはならないようです。その時、文字を半角にして数字を入れないとうまく機能しません(実はわたしも全角で一生懸命何度もやって失敗しました)。お手数ですが、どうぞよろしく!

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