~ 恩師の「心行の解説」下巻より ~
講演 五
「六根あるがゆえに己が悟れば菩提と化すことを悟るべし」
先の続き・・・
身近な親しい人が正しくないことをされる場合も同じことです。
腹が立ったり嫌な思いをしたり、ひどい時にはカッカときて、
他人の愚かな行為のために自分が心の楽しみを失います。
自分は間違っていないのに、
人が間違ったからといって自分自身の心を苦しめる方が多いのですが、
この時、私たちは次のように思うことです。
「人の愚かなる行為をもって、我が心の楽しみを失うことなかれ」と。
人が愚かなことをした場合、
大半の人はそのことで自分の心を苦しめます。
例えば、電車に乗っていてすごくマナーの悪い人に対して
「ほんとに、ようあんなことができるものだ」と怒っています。
怒るのは自分ですね。マナーの悪い人は他の人なのに、
それを見て怒って自分の心が苦しんでいます。
「人の愚かなる行為をもって我が心の楽しみを失う者は、なお愚かなり」。
他の愚かな行為で夫婦の間でも友情の間でも
心を苦しめることは多いです。
「ほんまにうちの嫁さん、もう何やってるのやなー」と、
自分がしてないのに自分の奥さんのことで怒っていますと、
嫁さんよりも婿さんのほうが愚かになります。