浜田屋遼太

世の中のために何の役にも立たないブログ  お暇なお方は是非どうぞ(^^♪

カップ麺

2020-05-09 | 日々是好日

ここに一個のカップ麺がある。

最初に何をなすべきか。

それは手に持ってみることである。

両手でカップ麺を持ってみる。

その軽さに驚く          

いつも手に持つ丼のラーメンの重さと何という違いであろう。

しかし、これがいつも食べているラーメンというものの本当の重さなのだ。

いつも手にしている一杯のラーメンの重さは、実はその半分以上が丼と湯の重さなのだ。

カップ麺の底には必ずクボミがあり、クボミのところにはフィルムの閉じ目がある。

その閉じ目に強引に指を突っ込みフィルムを引きむしる。

次にフタを開ける。

OPENと書かれた出っぱりのところをピリピリとはがしていく。

フタを半分ほど開けたら中をのぞこう。

そこには何やら薄暗く、何やらいろいろなものが雑然と押し込まれており、のぞいてはいけないところをのぞいたような、うしろめたい気持ちになる。

うしろめたい気持ちのまま、そこにあるものをうしろめたくゴソゴソと引き出す。

「かやく」「粉末スープ」「液体スープ」「海苔」などである。

「かやく」の中身はネギ、チャーシュー、ナルトなどが多い。

指示通り麺の上に粉末スープをふりかけ、かやくをのせる。

その光景は水のない世界、すべてが乾燥している。

枯山水と見ることもできる。

干からびて荒廃した遺跡、救いのない世界、このまま亡んでゆくしかない世界、と誰もが思うに違いない。

すべてが手遅れで、救済の手だては何一つない、と誰もが思うが、たった一つだけ救済の方法があるのだ。

それは熱湯である。

熱湯がすべてを解決する。

しかも三分で解決する。

三分ののち、液体スープを入れてかき混ぜる。

いよいよ食べるときがきた。

フタをどこまで開けるか、という問題がある。

数々議論がなされたが、全面撤去は推奨しない。

全面撤去では普通のラーメンを食べるのと同じになってしまい、カップ麺としての独自性が失われるからだ。

フタブラブラ、これがカップ麺の正しい食べ方。

ときどきわざと揺らしてブラブラ揺れるのを楽しもう。

おしまいのほうになってスープをすすりこもうとカップを傾けると、フタがおでこに襲いかかってくるのも楽しい。

それを寸前で箸で防ぐのもカップ麺の正しい食べ方である。

 

コメント
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