経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

ヤクルトレディ型・出願戦略

2008-04-24 | 新聞・雑誌記事を読む
 日経ビジネスの最新号は、とても‘知的資産’っぽい話題がたっぷりです(‘知的資産’をテーマにした記事というわけではありませんが)。資生堂の販売員の化粧品の見せ方(手のひらに乗せてもう片方の手を添える)とか、阪急百貨店のお辞儀の角度とか。
 その1つに、ヤクルトレディがベトナムに進出しているという話が紹介されています。乳酸菌というのはスーパーで1回買ったところで効果が出ないので、その効能を伝えながら継続的に販売するヤクルトレディ方式が、一見非効率なようで一番効率のよい販売システムであるとのことです。ヤクルト社内ではこれを「営業活動」といわずに「普及活動」と言っているらしい。
 う~ん、この話は何かに似ている。特許は突発的に1件出したところで効果は出ない。習慣化してこそ意味のあるヤクルトと同じように、一見非効率なようで最も効率のよい戦略的出願方式というのは、‘パテントレディ(ジェントルマンでもよいが)’が日々研究開発や事業企画の現場を回りながら、正しい効能を伝えて習慣を作っていくことなのでしょう。