経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

ソフトウエアの減損処理 ・その2

2008-04-22 | 新聞・雑誌記事を読む
 ニイウス・コーのときほどの大きな影響はなさそうですが、CSKHDが新システムの減損処理(約131億円)で大幅減益となるそうです。直近のバランスシートを見てみると、無形固定資産・その他が過去1年で80億円ほど増加していますから、このあたりがバッサリなくなるということになるのでしょう。「オンバランスの知的資産が突然消失してしまった」ということですが、2月の四半期決算の発表時には純利益が135億円でしたから、これがほぼゼロということで投資家は大ショックだと思います。
 これが会計上のルールで、有形資産の在庫だって減損処理することはあるということなのでしょうが、費用処理される研究開発との境目が実際はかなり曖昧ではないかと思われること、どの程度のものが開発されているのか外からは検証のしようがないことなどから、先行投資的な開発費がオンバランスとなっていることには違和感があります。「見えない資産の価値」云々を論じると一見格好よく見えるかもしれませんが、こうした実態を踏まえて考えないとリアリティがありません。