経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

これは大変、知財の証券化。

2008-04-04 | 知的財産と金融
 日経ビジネス最新号にちょっと気になる記事がありました。
金融機関に新たな火種~証券化商品で会計士協会が‘異例’の通知
 日本会計士協会が会員宛の通知で、証券化商品の時価評価の際に流動性を勘案せよ、といった趣旨の文言があったらしく、そうすると流動性に難があるというだけで証券化商品の時価評価が下げられてしまう→流動性に乏しい証券化商品を保有している金融機関の評価損が膨らむおそれがある、という内容の記事です。
 これが事実だとすると、知財の証券化には大ダメージになってしまうのではないでしょうか。流通市場がないに等しい知財を証券化した商品は、流動性が高いとはとても言い難い商品ですから、投資家は投資したら即評価損の計上ということになってしまい、普通は手が出せなくなってしまうものと思われます(強力な節税商品にはなるかもしれませんが・・・)。こういうルールが適用されると、投資家が不在となってしまって、知財の証券化に限らず新しい証券化のスキームなど成り立たなくなってしまうように思いますが。知財ファイナンスの旗頭となるはずの知財の証券化ですが、思わぬところから大きな障害が現れてくるかもしれません。