経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

ミクシィ

2006-09-14 | 企業経営と知的財産
 今日のマーケットの話題は、何といってもミクシィの上場でした。株式市場に久々に登場したハンカチ王子級のスーパースター候補生ですから、騒ぎになるのも当然でしょう。今日は結局値段がつかず、気配値ベースで時価総額が2000億円を超えていますから、こういう金額を目にすると、せいぜい数十億円レベルの知財紛争のニュースがあまりビジネスマンの気を惹かないのも仕方のないことかといった感じもします。
 ところで、ミクシィは市場の期待に応えて、ヤフー・楽天のような存在になっていくのでしょうか(因みに、楽天の時価総額は6000億円を切りましたので、たぶんミクシィの時価総額はその半分くらいまではすぐに行ってしまうのでしょう)。ミクシィの強みについては、SNSにおける80%を超える高いシェアが評価されているようです。確かに、理屈からするとシェアが高いところには多くのコミュニティが生まれ、ますます強くなるという構図は成り立ちそうです。シェアの高さ=参入障壁として機能するので、我々知財人の出番があまりない領域なのかもしれません(実際、IPDLで検索してみてもそんな感じです)。同じような理屈が言われたもののうち、ヤフー、楽天などは、確かに高シェアが強力な障壁となって、新規参入を弾き返してきているように思います。ただ、いつまでもその流れが続くのか、例えば楽天であれば、最近楽天市場で商品を検索するとヒットするものが多すぎて、個人的にはかえって不便を感じることがあります。一方で、アマゾンを使ってそういうストレスを感じることは比較的少ないのですが、サイトが重くなればなるほど、テクノロジーの出番は増えてくるのではないでしょうか。
 いずれにしても、こうした新しいビジネスの参入障壁がどのように機能し、どの企業が勝ち残っていくのか、大変興味深いところです。