ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

トーリンとフィーリ、キーリのこと

2013年05月06日 | 指輪物語&トールキン
※このブログはそもそもトールキンの原作についてのネタバレ配慮は一切していませんが、特にこの記事は結末についての大きなネタバレを扱っていますので、結末知りたくないという人はご注意ください。

ホビット映画のイケメンドワーフ3人、ビジュアルが発表になった時には「イケメン貧髭ドワーフなんて認めない!」なんて思ってたのに、蓋を開けてみれば3人とも好きになったという…(汗)なんかPJに完敗という感じです。
トーリンは意外にも原作のトーリンの印象を受け継いでいたし、何よりもとてもドワーフらしくて気に入ってしまいました。リチャード・アーミティッジさんが原作への理解も深く、トーリンをよく解っているのも大きいのかなあと。
キーリは、まさかあんなお馬鹿キャラだとは(笑)あんまりかわいいので、もうイケメンもいいや、という感じになりました(笑)
フィーリとキーリはまさかのドワーフ版メリピピ…。フィーリはキーリと違ってちゃんと解ってて悪いことしてるというか(笑)皿投げとかトロルのところとかかなり悪いですよね(笑)一方で物事をちゃんと理解している賢い面もあって、やっぱりメリーっぽいなあ。見張り岩のところでトーリンとビルボを心配そうに見ていたのも好感度大です。
そして二人とも、素直で明るい、いい子たちなんですよねえ。
そんな訳で3人とも結構好きになってしまったのですが、そうすると、この先の展開を考えると辛いものがあるなあと…
トーリンは仕方ないと思うんですよね。ある程度自業自得なところもあるし、自ら選んだ道だから。
でも、フィーリとキーリは…正直原作ではさらっと読んでしまったフィーリとキーリの死ですが、こうして映像化されて、しかも愛着が湧いてしまうと、先の展開を見たくない気すらしてきてしまいます…
映画の設定では、トーリンはフィーリとキーリを我が子のように思っているようになっているようです。実際、自分の子どもがいなかったらそうなるでしょうから、自然な設定だと思うのですが、原作ではそんな感じではなかったですよね。そこまでキャラクターを掘り下げてなかったということですが。
eiga.comの特別映像では、リチャード・アーミティッジさんが、フィーリとキーリの父親はおそらく死んでいるのだろう、トーリンは父親代わりになろうと努力していると言ってました。そして、二人は未来への希望だとも。
クロニクル2でもリチャード・アーミティッジさんが、フィーリとキーリはトーリンにとって家族であり、未来の希望であるというようなことを言っています。
フィーリとキーリもトーリンを父親のように尊敬し、憧れていると、ディーン・オゴーマンさんが言ってましたね。
そんな未来の希望である若者が死ぬんですよ……彼ら自身もかわいそうですが、トーリンも……自分のために未来の希望だった甥たちを亡くしてしまうなんて、自分のことよりも辛いでしょう……
LotRでも悲しい死はいくつもありましたが、どれもある程度仕方ないかな…というと語弊があるかもですが、自らが招いたものだったり、後に残る者に希望を託しての死だったり、悲しいけれど納得できる死だったと思います。(単純にかわいそうだったのはハルディアくらいですかね…あ、ハマもか。原作だとハルバラドかな)
でも、フィーリとキーリは…彼らの死に何の意味も見出せないんですけど…
原作でトールキンがなぜフィーリとキーリを死なせたのか、ちょっと考えてみました。
多分、13人の中でも特に若くて比較的カッコ良かった(ちょっと原作でどういうビジュアル想定してたのかわかりませんが)フィーリとキーリが、絵になるという意味で選ばれたんじゃないかなと。
あと、トールキンは、王と王子が共に戦死し、新しい家系が王位を継ぐ、というパターンが結構好きなのかな、と思ったことがあります。追補編のエオル王家の年表でいくつかそういう事例がありますし、セオデンから甥のエオメルに王位が移るのもそうですよね。(まあフィーリとキーリもトーリンの甥ですが)そういう意味で、トーリンの世継ぎもいなくなり、ダインが新しい王位を継ぐ、というパターンにしたのかな、とも思います。
そして、これはかなりの部分私の想像なのですが、もしかしたら、若い彼らの戦死を第一次大戦と重ねていたりしたのかなと。トールキンの学生時代の友人たちは全員戦死してしまったそうですから…トールキンは物語に実体験や現実の出来事を暗喩として篭めることは大嫌いだったそうなので、意図的にそういうことはしていないだろうとは思いますが、どこかにその体験が下敷きになっていることもなくはないかなと。
そう考えると、映画でも二人の死の意味が見えて来るような気がします……でも、やっぱりあんなに元気で若い彼らが…と思うと、辛くて考えたくないですね……
ホビットが急遽三部作になったことについて、色々思うところはありましたが、ラストが先延ばしになったというだけでも良かったな、と今は思います。とりあえず二作目はまだ気楽に見られそうですから。
でもやっぱり今から三作目観るのが怖いです…
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4 コメント

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トーリンの血筋 (ARY)
2013-05-10 14:19:30
ぐらさん、考察してくださってありがとうございます。
ホビット、原作を読んだとき、トーリンの血筋が途絶えるなんて!って驚いたのを覚えています。何故この3人?教授、冷たい?って。
考察を読んで、大戦のこととか、そうか。ってなんとなく思えました。納得とかまではっきりしたことではありませんが、そうか、と。
第1部は中つ国にまた戻れて心から楽しめるわくわく冒険話でしたが、この3人のことを思うとちょっとつらいです。

今回の映画ではバーリンが好きです~。
ガンダルフもホワイトよりグレイが好きです。
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トーリンの世継ぎ… (ぐら)
2013-05-11 02:09:30
私が勝手に解釈したものなので、実際には違うと思いますけど…(汗)
私も、彼らの死の意味を見つけたくて考えたことなのですよね…
初読時から、戦いをきれいごとで終わらせないためには、トーリン以外にも誰か死ななければならなかったのだろうな、と感じていました。
それがなぜ若い二人なのか、と考えた時にこんな解釈が出てきたのですが。

トーリンの世継ぎがいなくなってしまう、ということについては、こんなことを考えてもいます。
今際の際に、トーリンは「富も名誉もいらないところに行く」というようなことを言いますね。
現世での望みも全て捨てて旅立つ、というのが、もしかしたらカトリック的な考えなのかな、とふと思いました。カトリック全然詳しくないので大嘘かもしれませんが(汗
)
自分の血筋が王位を継ぐ、という望みまで現世の欲望ということになるのかもしれないな、と。
もしそうなら、そういう意味ではやっぱりトールキンはトーリンに冷たいというか、宗教的な厳格さを持って扱ったということになるのかな…。

バーリンいいですよね! 人気ありますよね~!
バーリンの人気を見ていると、別にイケメンドワーフいなくても大丈夫だったんじゃないか、なんて思ったりします(笑)

灰色のガンダルフも、ホビットではLotRよりもさらにお茶目でいいですね!
袋小路屋敷での様子がかわいくてなりません(笑)ビルボの反応を心配してる様子とか。
クッキー?くわえて食べ物を回してるところも好きです(笑)
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決戦のゆくえ (平本)
2015-01-19 01:06:47
3作目見てきました。 映画では泣いている人もいましたよ。 ロードオブザリングでもそうでしたがなんかしらの犠牲の上に全て成り立っている感じですね。 ネタバレすみませんがキーリ フィーリの場面は残酷でした トーリンはまさに王としての最期でかっこよかったです
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Unknown (ぐら)
2015-01-19 21:51:49
私も最初のうち何回かはボロ泣きでしたよ(笑)
フィーリとキーリの最期はちょっと私も…。一番ひっかかっているところです。
この記事は1作目を見た段階で書いているのですが、まさかあんなことになるなんて…とちょっと遠い目に(汗)
でも、1作目の頃に心配していたほど辛くはなかったのが救いですかね…
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