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ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

コールドマウンテン(,ネタバレです)

2004年10月10日 | 映画
昨日は台風のおかげで?買っておきながらなかなか観られなかった「コールドマウンテン」のDVDを観られました。
なんで買ったかというと、ニコール・キッドマンの吹き替えの鈴木ほのかさんが好きなんですよ~(汗)という訳で、吹き替えで鑑賞しました。ただし、ナタリー・ポートマンの出番だけ字幕で見てたりして(汗)

全般的な感想なのですが、私には「ラヴストーリー」には見えませんでした。
これ、南北戦争の時代の物語ということで、「風と共に去りぬ」ともややダブるのですが、「風と共に去りぬ」が、戦争や時代を背景にしてスカーレットという一人の女性を描いたのに対し(いや「風と共に去りぬ」に詳しいわけではないのであれですが(汗))、こちらは、エイダとインマンのラヴストーリーを軸にしながらも、描こうとした主題はむしろ戦争のもたらした悲劇なんだなあ、と思いました。
一番印象的だったのが実はかなり冒頭の戦闘シーンなのですが(汗)爆破され打撃を受けた「被害者」だった南軍が、今度は穴にはまった北軍を虐殺し始める。そして若いオークリーが死んでしまう・・・。このあたり、フィドルの音楽が流れ始めたら、なんだかつーっと涙が・・・(汗)結局前編通して一番泣けた場面でした。
戦いに善も悪もない、戦ったらただ人は死ぬんだということを、淡々と、でもしっかりと表現していたと思います。アメリカ人同士なんですから、余計にですよね。これは「トロイ」でも思ったのですが・・・
この映画を見て、アメリカ人はどう思うんだろうか。イラク戦争とは全く切り離して観られるんだろうか、とか余計なことも考えてしまいました(汗)私には同じに思えるんですけどね・・・
そう言えば、「トロイ」の感想をネット上で拾い読みしていたら、結構「どちらが敵、というような感じでなかったので、戦闘シーンにどちらかに思い入れして観られなくてすっきりしなかった」という感想を見かけたのですが、それが戦争の正しい姿なのでは、と私は思っていたので、意外でしたね。殺してもいい敵相手の戦争・・・そういうのが普通に描かれているのって結構怖いことではないでしょうか・・・(LotRがまさにそうですが(汗))
ちょうど昨日の朝刊だったかの朝日新聞の書評で、「他者と自分自身への想像力がなくなった時、人は戦争に向かう」というような文章があって、そうだよなあ、と思いました。戦争がもたらす悲劇を自分のこととして考えられなくなったら、「戦争してもいいんじゃないの」ということにもなるでしょう。アメリカがベトナム戦争と同じことを再び繰り返しているように、日本もいよいよ再び戦争をする国になって行くのでしょうか・・・
話が逸れましたが(汗)私はこの映画をそんな風に見てしまったもので、エイダとインマンが再会するあたりよりも、インマンの旅の途中の出来事の方が印象的でした。
インマンの旅で一番印象的だったのは、山羊を飼う老婆の話でしょうか。山羊をかわいがらながらもして、「この子はよく役に立ってくれた」と言う老婆の姿には強い印象を受けました。
そんなインマンの旅が印象的だったので、エイダたちを救うために義勇軍と戦って死ぬ、という結末には今ひとつ「ふーん」という感じで(汗)ピンと来ませんでした。
ただ、エイダに「もう元の自分ではない」と訴えていたインマンの姿を思うと、彼がコールドマウンテンに戻って来たのも、ただ一目故郷を見るため、エイダに会うため、戻ってくるためだけのことで、そこで再び平和に暮らすことではなかったんだなあとも思えました。
「皆で平和に暮らす」というラストにもピンとは来なかったものの(汗)「あなたが今もここを目指して戻って来ているように思えて」というエイダの台詞にはちょっとジーンと来ました。
あと良かったのは、音楽が重要な要素として扱われていたことでしょうか。主題とまでは行かないんですが。
エイダのピアノを影でルビーが聴いていたりとか、瀕死のオークリーが音楽を弾いてもらえると聞いて、「自分を待っててくれる娘のような、乾いた喉を潤してくれるような」音楽を最後に聴きたい、と訴えるところとか。音楽の持つ力を感じさせる場面で、とても好きです。
ティーグがこれから殺そうとしているルビーの父親たちの歌を聞いて、一緒に歌いだした場面も印象的でした。ティーグについてはあまり描かれていませんでしたが、彼には彼の内面があったのではないか、と窺わせる場面でした。
惜しむらくは、主題歌がとてもいいので、もっと効果的に使えたのではないかなあと・・・。アカデミー賞の授賞式で聴いた時には「INTO THE WESTよりいいかも」と思ったものでしたが、映画での使われ方を考えたら、INTO THE WESTの方がやっぱり良かったかも(汗)

ところで、特典映像の未公開シーンを見てびっくりしました。結構重要なシーンがカットされてたんですね・・・
特に、セーラがあの後どうなったのか、というのが本編では描かれませんでしたが、あれはカットしていいのか!?とびっくりでした(汗)
あと、インマンがエイダのドレスを着たかかしに駆け寄るところとか・・・あそこは、インマンがなぜ急にエイダの前に現れたのか説明するためにも必要だったのではないかと・・・
この二つは、ベッドシーンをカットしてでもいれるべきだったのではないかと思った私です(汗)

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