ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

また字幕が・・・

2012年01月12日 | 指輪物語&トールキン
ホビット映画の予告、ようやく字幕がついて日本でも公開! のようなんですが・・・



なんかこの字幕ひどくないですか・・・!?
LotR三部作で字幕騒動があり、だんだん字幕が改善されたおかげですっかりFotR劇場版の字幕の惨状の記憶が薄れていたんだなあと実感・・・
予告だから仕方ないのかなあ。本編はこんなじゃない・・・ですよね!?
でも、観ていて忘れかけていた字幕(というか翻訳ですね)の恐ろしさを思い出しましたよ。いくら映画本編が原作を大事にして作られていても、翻訳如何で全く違うレベルで台無しになるんだということを・・・
原語だけで理解することができない人間にとっては、翻訳ってものすごく大事なことなんですよね。「そんなに気に入らなければ字幕観なければいいじゃないか」って言った方がいましたが、それができるくらいなら文句言ってないよという・・・

私が違和感を感じたのは、先にご自分で予告編の日本語訳をブログに掲載してくださっている方がいらして、それを読んでいたからでした。(ツイッターでは原語のスクリプトを読んだからみたいな大嘘ついてましたが、日本語訳読んでました・・・スクリプトだけでそんな理解できてたはずないし)
しかし、最初の件は日本語訳読んでなくてもおかしいと思ったはずです。というか原作知ってる人なら誰でも「あれ?」と思いますよね・・・
なんなんですかね、「実はその前にもうひとつの冒険がある」って・・・ビルボ2回冒険してたの??? 初耳なんだけど。
ここは、全く英語が聞き取れてなかった頃から、ああ、ビルボがフロドに「今までの話では全部話してなかった(指輪を手に入れた件で嘘をついていた)」ということを言ってるのね、と思ってましたから・・・
この話は映画には出ていなかったけれどLotRの方で出てきていたエピソードで、原作から取ったエピソードでうれしいなあ、なんて思っていたところに字幕で思いっきり足元すくわれた感じですね・・・
ちなみにここは元のスクリプトによると、「お前はあの冒険について全部話してくれたかと訊いたことがあるけれど、本当のことを言うと全部は話していなかったかもしれない」というような感じですね。どこから出てきたんだ「その前のもうひとつの冒険」・・・

「わしと一緒に冒険の旅へ出発じゃ」は、まあ予告編の意訳としてはありなのかもですが、本当は「一緒に冒険に行く人を探している」って感じですよね。ここも多分原作どおりの台詞で。

次の件はスクリプト見ても私には意味がよくわからないんですが、おおまかにはビルボが冒険に乗り気じゃないところを表しているのでまあいいのかな・・・
実際には「私は(冒険なんかに行って)行方しれずになるわけにはいかないんです。私は袋小路屋敷のバギンズなんですから」って感じかな? 違う風に訳されている方もいるので自信ないですが・・・
でもやっぱり字幕はちょっと違和感ありますかねえ。ここ結構長いので字数の制限ってわけでもないと思うし・・・

ドワーフたちの紹介の件は問題がありようはないんですが(でも「隊長」はやや違和感あるかなー)、ドワーフたちの名前は瀬田訳のままですね。本編でもこのまま行くのかな。トーリン、ビフール、ボフール、ボンブールは原語だとかなり発音が違うんですが・・・特にトーリンは明らかにソーリンて聞こえますよね。この予告編だとよく聞き取れないんですが、ビフール、ボフール、ボンブールはバイファー、ボファー、ボンバーというような発音をしてると思います。(確かトールキンの朗読CDではそうでした)
でもやっぱり瀬田訳どおりの方が馴染みがありますよね。

ドワーフの歌は問題なし・・・というか瀬田訳まんまですよね? 確認してないけど・・・
どうせなら最後まで字幕だして欲しかったな・・・

そしてその後も結構問題なような。トーリンが「危険な旅だ」「生きて帰れないかも」というのが彼ら全員の旅のことを言っているかのようですが、ここの主語はHe=ビルボなんですよね。
原文は「彼の安全は保障できないぞ」「彼の運命にも責任は持てないぞ」という感じですかね。ビルボの話してるのになあ・・・予告的には危険な旅だってわかればいいのかな。うーん。まあ字数の関係で主語入れられなかったということかもしれませんが。
だいたい「生きて帰れないかも」って口調がトーリンとしてはとっても変ですね・・・

次の件はそんなに問題ないかもですが、やっぱり違和感あるなあ。後半はさすがに私でも聞き取れる程度の英語なので・・・
「戻れても全てが変わる」ってのが違和感だなあ。脳内で「戻っても元のお前さんじゃないじゃろう」なんて訳になってたので・・・別に全てが変わるんじゃなくてビルボが変わるんだって言ってるんだけど・・・でもまあそんなに意味違わないからいいのかなあ・・・字数的にもこれが限度なのかもしれないし。

最後のゴラムの「ヤツは何者?」も意味は違わないけど違和感ありますね~。(ここもさすがに聞き取れるので)まあWhatはゴラム的にはWhoなので、「バギンズって何だ?」じゃなくて「バギンズって誰だ?」から「ヤツは何者?」になるのは意味的にはいいのかもしれませんが、ゴラムの口調として「ヤツは何者?」とは言わないもんなあ。
まあさすがに本編ではこういう訳は出てこないと思いますけど・・・いやFotR劇場版のレベルなら充分あり得るか・・・

予告編の字幕なんて時間もなくさっさと済ませなければならないんでしょうから、このくらいの違いは仕方ないのかもしれませんけど・・・まだ映画館に出てくる完成品というわけでもないみたいですし。
でも、字幕なしで観ていた時のワクワク感が字幕がつくことによってかなり下がってしまったことは事実です・・・やっぱり翻訳って大事だなあ・・・英語聞き取れない人にはなおさらに。
何しろ、たかが予告編なのにもうオリジナルのサントラがついてる! すごい! なんて感動してた後ですからねえ・・・なんかあまりにレベルが違うのでがっくり来ちゃいました・・・
本編はこんなじゃないと信じたいですが、FotR劇場版を初めて字幕で見た時の衝撃を思い出してしまって心配になって来てしまいました。ボロミアの「我ら人間」って字幕を観て涙が引っ込んだあの衝撃・・・(大汗)
LotRの時にあれだけ騒ぎになったにもかかわらず、字幕業界?では何もなかったことになっているというのがこちらの一件でもわかったことですし・・・やっぱりどうも信用できないんですよね・・・
ああ、今回も初回は吹き替えで観に行こうかなあ・・・(LotRは3作とも吹き替えから観に行ったんですよね。RotKだけ字幕の方が良かったですが)
でも吹き替え観に行ったら観に行ったでガンダルフの声が違って悲しくなっちゃったりするかもなあ・・・(ガンダルフの吹き替えをやっていた有川博さんが昨年亡くなられたので(悲))
と今からなぜかブルーになってしまいました・・・考えすぎですね(汗)
いや、映画自体にもやや不安があったりとかしたんですよね。トーリンがカッコ良すぎとか鬚が貧弱とか・・・エヴァンジェリン・リリーさんが演じるタウリエルとかどうなのとか・・・大分以前PJが「ビルボのガールフレンドを出す」とかなんとか言ってたのはそのまま立ち消えになってるんだろうかとか・・・
でも、そんなことよりも翻訳が良くないほうがよほどテンション下がるなあ、ということを思い出してしまいましたね・・・
まあ、期待してない方が良かった時により嬉しいかもしれないし。といいつつやっぱり最初は吹き替えで観に行こうかなとか思ってたりして・・・(大汗)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする