ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

3つの指輪コンサート総括

2004年09月02日 | 指輪物語&トールキン

今日の写真はまたコンサート絡みでロンドンのロイヤルフェスティバルホールの写真です。撮ったの5月ですが・・・

さて、一昨日で5月から始まった私の指輪コンサート巡りも終了したので、私が行った3つのコンサートを比較してみようかなあと思います。
まずは東京で騒がれている?音響について。実はロンドンのロイヤルフェスティバルホールも意外に音響が悪くてびっくりでした。まあ、東京みたいにオーケストラやコーラスにまでマイクが必要なほどではなかったですけど・・・。
しかし、ソリストのマイクの調整は東京よりひどかったです(汗)実はロンドンではシセルの良さを実感できなかった私(汗)
ピッツバーグのハインツホールの音響は最高でした! 響きすぎることもなく、生オーケストラの演奏に最適な環境だったと思います。音響が良かったから、ソリストのマイクもとても自然な感じで、シセルの歌に本当に感動しました! 細かいニュアンスまで伝わってきて、鳥肌が立ちましたもん。
東京の国際フォーラムホールAの音響についてはもう言うまでもないかもしれませんが(汗)とにかくクラシックのコンサートをやるには大きすぎるホールです。オーケストラにマイクを使わないといけないなんて・・・。
ただ、マイクに頼る音響だったせいでしょう、マイクの調整には気を使っていたようで、2日目にはマイクのバランスも大分良くなってました。シセルの声もなるべくマイクの音量を上げないように気を使っていたようで、ロンドンよりは良かったです。マイクの音量上げてしまうと、声の一番甲高いところしか音を拾わないものなんですね。本当はマイクなしだと一番良いのでしょうが・・・
次にオーケストラの演奏についてですが、ロンドンは最初の音が出た瞬間からサントラそのままの音で、音響の悪さもあって、最初はなんだか生で聴いている実感がなかったくらいです(汗)
ロンドンフィルの金管は柔らかくていい音ですね。ショア自身も金管の音作りには時間をかけたと言っていましたし。木管も柔らかめで好きな音です。
特筆すべきは打楽器で、あれは本当に素晴らしい体験でした。第三楽章のファンゴルンの場面は圧巻でしたね! ピッツバーグでも東京でもあんな迫力はなかったので、さすがオリジナル、という感じでした!
ソロ楽器もオリジナル奏者の音だったのは感動的でしたね。ティンホイッスルはFotRの奏者マイケル・テイラーがRotKの部分も吹いていたのが新鮮でしたし。ハーディンガーは他のオケではコンマスが弾いていましたが、共鳴弦を上手く響かせるのは鳴れないと難しいらしく、やはりオリジナル奏者のダーモット・クレハンが一番良かったですね。あと、ロリアンのテーマで出てくるディルルバ(サーランギー?)が弾かれていたのはロンドンだけでしたし。
ピッツバーグ交響楽団も良かったです。管楽器は全体的に華やかな印象で、ちょっとLotRには明るすぎるかな、とも思いましたが、つややかな金管で奏される「指輪は南へ」や「カザド=ドゥムの橋」は良かったです。モリアの大広間の場面のトロンボーンはちょっと乱暴でしたけど(汗)
ピッツバーグで素晴らしかったのはヴァイオリンですね。音響が良いせいもあったと思いますが、ぴったりと息が合った繊細な音にかなり感動しました。「一行の離散」や「王の帰還」の最初の静かな音には本当にやられました(笑)
また、ホビット庄のフィドルのソロをコンマスが、フィドルではなく普通のヴァイオリンで弾いたのが素晴らしくて。ダーモット・クレハンのフィドルより良かったです、はっきり言って(笑)無理せずにヴァイオリンで弾いた判断も良かったと思いますし。
さて、東京ですが、ブルガリアのSOFIA FESTIVAL ORCHESTRAに日本人エキストラが混ざった感じでした。寄せ集めになってしまったわけですか、まあへたな日本のオケでやるよりは良かったのではないかな、と思いました。ヴァイオリンとかちょっとバラバラに感じることもありましたが、まあ問題ないレベルだったかと。管楽器のソロを結構日本人がやってましたが、なかなか良かったですし。ティンホイッスルも日本人だったのですが、なかなか上手くてちょっと嬉しかったですね。
でもとにかく音響が悪くて、演奏の評価もこれでするのはかわいそうかな、と思うくらいでした。
コーラスですが、ロンドンは音響が悪かったにもかかわらず素晴らしかったです! 本当にサントラそのままでしたし、むしろサントラよりも生の方が素晴らしかったです。文句つけるところがあるとしたらモリアの男声の掛け声でしたが、あれは仕方ないですね(笑)
そしてやはり少年合唱が素晴らしかったですね。ソロのベン・デル・マエストロくんは本当に美しい声で、第三楽章以降のソロをシセルに奪われて?しまうのが勿体無いくらいでした。
ピッツバーグはロンドンよりはちょっと落ちる感じでしたが、音響が良いのもあって、特に問題なく、要所要所で感動させてくれました。
少年合唱ではなく、ほとんど女の子の「子供合唱団」だったのですが、ロンドンよりは雑な感じがしました。ソロも大人のソプラノの人が歌っていましたし。
で、問題の東京なのですが(汗)音響が悪かったのもマイナスだったと思いますが、音程を外していたのはフォローのしようがありませんね(汗)合唱で「来る」ところも感動できなかったりとか(第二楽章の始まりの裂け谷のテーマは他のところでは鳥肌ものの美しさだったのに・・・)。
少年合唱は、とても幼い感じだったのが意外でした。ソロの子たちは緊張していたのだと私は思ってます(汗)でも、ピッツバーグのようにソロを大人に歌わせずに、ちゃんと子供が歌っていたのは良かったと思います。ソロの子たちも声は美しかったと思います。
指揮者ですが、ロンドン、ピッツバーグでハワード・ショア、東京ではジョン・マウチェリーだったのですが、やはりショアの指揮は見ていても面白いし(笑)感情たっぷりの指揮にオーケストラが応えているのを聴くのはとても素晴らしい体験でした。「カザド=ドゥムの橋」で躍りながら振っていた姿が忘れられません(笑)あちこちでサントラオリジナルよりもテンポを早くしたり、ゆっくりしたり、緩急のセンスも面白い感じで、これに聴きなれてしまうとサントラの平板なテンポが物足りなくなったりします(笑)
マウチェリーは、ショアの後で見るととても上品な指揮だなあと思いました(笑)それなりに表現豊かな指揮なのですが、ショアに慣れてしまうと物足りなく感じてしまうという(汗)全体的にゆったりしたテンポだったのも、優しい印象でしたね。
マウチェリーの指揮を見てよかったと思ったのは、ロリアンのテーマが何拍子なのか、というかどこが拍の頭なのか(汗)ということがようやくわかったことです。ショアの指揮を見ていてもさっぱりわからなかったんですよねーこれが(笑)
最後に、観客の鑑賞態度なのですが、これはダントツで東京が良かったです! 日本人のマナーは素晴らしい! ロンドンでもピッツバーグでも、演奏中にひそひそ話したり、携帯がなったり、ガサゴソ飴舐めてみたり、じっとしてられなくてがたがた動いてたり、果ては途中で席を立ったり、使い捨てカメラでフラッシュ焚いて写真撮ったり・・・と無法地帯でしたね(笑)
東京では楽章の合間の拍手がなかったのも感動でした。LotR交響曲をようやくクラシックとして聴けているんだなあ、なんて思ったりして。
そんな客席の環境は良かったのに、全体として今ひとつなコンサートになってしまったのは残念ですが・・・
何かオチもなくいたずらに長くなってしまって総括でもなんでもなくなりましたが(汗)3箇所でのコンサートを比較したらこんな印象でしたよ、という話でした。
コメント
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